みなさんこんにちは!宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!
あと2日です!!
記事を読んでくれている方はタイトルで察してくれていることかと思いますが、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんがISS(国際宇宙ステーション)へ向けてアメリカのスペースXのクルードラゴンでリフトオフします!
特設サイトも開設されていてリフトオフまでの時間をカウントダウンされています。
サイトもとにかくカッコいい!
(提供:JAXA)
今回の打ち上げは宇宙に関心のある方はぜひライブ配信を見て欲しいなと思っています。
色々と注目ポイントがあるので、紹介していきます。
民間ロケットでの2度目の有人宇宙飛行&日本人初!
スペースXは今年の5月にNASAの宇宙飛行士2人を乗せてISSに到着しています。
これが民間企業で初めての有人宇宙飛行の偉業となり、今回の野口聡一さんが搭乗するCrew Dragon運用1号機が2回目のリフトオフとなります。
5月までは人類が宇宙に行くためには国の力が必要でした。
国のミッションのために国がロケットやスペースシャトルを打ち上げを行っていましたが、近年では国は国しかできない事を、それ以外の部分は民間のサービスを利用する方針で進められてきて、輸送手段としては活用されていましたが、5月の有人宇宙飛行の成功で、民間の有人宇宙飛行(ロケットの打ち上げ)が本格的に加速する流れになるはずです!
前回の5月はNASAの宇宙飛行士2人。今回は野口聡一さんの他にNASAの宇宙飛行士が3人の計4人でISSへ向かいます。
その内、女性が1人なので民間ロケットで初の女性宇宙飛行士のISS到着となりますね。
ちなみに、以前取り上げましたアルテミス合意って?〜アルテミス計画について〜では、女性初の月面到着も話題になっています。
宇宙服はじまる
フライトスーツ(提供:BEAMS)
ポロシャツ(提供:BEAMS)
フリースパーカー(提供:BEAMS)
ラガーシャツとボタンダウンシャツ(提供:BEAMS)
野口さんがISSに滞在する間に着る服をなんとBEAMSが作成し日本で初の民間企業のプロデュースを行いました。
これは全て、宇宙での活動するために作られた服ですが、見た感じだとカッコいいし、宇宙服での服には感じられませんよね。
野口聡一さんと何度もディスカッションし作成されたウェアで、公開されている動画で野口さんも言っていましたが、「野口聡一モデル」です。
宇宙飛行士の滞在ウェアを全てプロデュースするのは日本初です!
ストレッチ性、吸水速乾性、抗菌防臭性など宇宙での活動に欠かせない要素を、最新の素材や加工技術を用いて、ミッション中でも着心地がよく、ファスナーやポケットなど機能面も細部までこだわった滞在ウェアになっています。
BEAMSはこれから訪れる宇宙時代でのファッションブランドとして一歩リードしていると言えるでしょう。
アパレル業界も宇宙は遠い存在では無くなっていますね。
宇宙日本食とびたつ
以前取り上げた宇宙食。
【宇宙で日本の味を】宇宙ではどんなものが食べられているの?【前編】
その中で紹介している宇宙食も実際に野口聡一さんに届けられます。
特設サイトに載っていますが、イメージしている宇宙食よりもかなりバリエーションが豊富ですし、何より普段から目にしている食品が宇宙食バージョンとして開発されているのに驚きです!
ビスコ、カップヌードル、からあげクン!
おなじみの商品ですよね!
ISSでは食事も宇宙飛行士の楽しみの一つですし、もちろん生命活動の維持として重要です。
宇宙飛行士を支えるために、飲食業界も宇宙に飛び出していますね!
きぼうを利用した主なミッション
今回、野口聡一さんが滞在する間には、ISSの日本実験棟「きぼう」を利用した沢山のミッションが予定されています。
宇宙探査に向けた、「きぼう」を用いた技術実証
(1) 火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する 重力影響の評価(宇宙火災安全テーマ)(FLARE)
社会課題への貢献や、新たな「きぼう」利用需要の創出
(2) 微小重力環境を活用した立体培養技術の開発(Space Organogenesis)
(3) 新たな創薬需要創出に向けた膜タンパク質結晶化技術 実証(JAXA MT PCG#5)及び高品質タンパク質結晶生 成実験(JAXA LT PCG#6)
(4) 静電浮遊炉(ELF)を使用した高精度熱物性測定
地球低軌道利用の経済活動発展に向けた取り組み
(5) 超小型衛星放出ミッション(J-SSOD)
(6) 宇宙放送局(Space Studio KIBO)
(7) アバター体験技術の実証実験(Kibo Avatar-X)
人材育成、社会貢献、国際貢献
(8) アジア・太平洋地域のハーブ種子を利用した植物実験プ ロジェクト(Asian Herb in Space)
(9) 東北復興宇宙ミッション 2021(TOHOKU2021)
公開されているミッションはこの9項目です。
技術実証や新規開発など、宇宙空間での様々な実験が行われます。
地球上では行えないような、真空、無重力での実験を行い、医学や科学などの技術が開発されています。
全部のミッションの説明をしたいところではあるのですが、特に取り上げたいミッションは
地球低軌道利用の経済活動発展に向けた取り組みの3つです!
・超小型衛星放出ミッション
最近話題の超小型衛星ですが、1Uという単位が最小で、10cm四方のサイコロ型にテクノロジーが詰め込まれています。
従来の大型の人工衛星が13m×6m×5mで重量3.7tで開発費用は数百億円!
もちろん打ち上げるロケットも限られてくるので、費用がかさみます。。
そんな中で、人工衛星の小型化が進み、10cm四方の1.5kgサイズの1U超小型衛星が注目されています。
小さく費用も抑えられ、打ち上げも他の物との相乗りが可能なので、超小型衛星の利用が拡大されています。
この超小型衛星ですが、ロケットで打ち上げられて宇宙空間に放出されるパターンと、ISSに届けられてから放出されるパターンがあります。
今回のミッションの中にも超小型衛星の放出も含めれています。
・宇宙放送局
株式会社バスキュール×株式会社スカパーJSAT×JAXAの宇宙メディア事業として『KIBO 宇宙放送局』が開設されて、宇宙と地上でリアルタイムコミュニケー ションが楽しめる、双方向ライブ番組が配信されます。
独自のプロトコルやアプリによる双方向ライブ番組配信システムや、JAXA外の民間スタジオから「きぼう」の機器(アプリ)を遠隔操作するシステム等を開発し、2020年8月12日、「きぼう」と地上間の双方向ライブ番組配信に、世界で初めて成功しました。
今回は、上記システムをさらに技術的に発展させ、KIBO 宇宙放送局の第 2 回目の放送(技術実証)が行われます。
・アバター体験技術の実証実験
avatarin株式会社が開発した「新型エンコーダの軌道上実証」を行う。とあるのですが、そもそもエンコーダとは機械的な位置の変化を、位置値としては回転位置または直線位置をセンサで測定して、電気信号として位置情報を出力する装置です。
分かりづらいですよね。。。
avatarin株式会のアバターに使われている装置の実証実験として行われるのですが、今回のアバターは遠隔操作可能なロボットをさします。
提供:avatarin
今回はこのカメラを通して、一般の方が「きぼう」の中や窓から宇宙空間に浮かぶ地球を眺める企画があります。
この3つのプロジェクトは私たちの手の届く所にある宇宙の話題なので、注目しています。
超小型衛星の活用が増えることで、宇宙ビジネスに携わる方が増え、取得できるデータもさらに増えます。
宇宙放送局を見ることで、宇宙とのリアルタイムなコミュニケーションが可能で、今後の世の中で宇宙との通信が必須になってくる先駆けになります。
アバターを使えば、遠く離れているところでの体験を実際に味わえます。地上と宇宙が可能であれば世界のどこでも、どんなシーンでも活用の幅が広がります。
まとめ
今回もいろんな事を書いてしまいましたが、何が言いたいかというと『みんなで野口さんを応援しよう!』という事です!
リフトオフ前にどうしても記事を掲載したかったので、急遽書き始めた記事ですが、宇宙に少しでも興味のある方は一緒に11/15(日)9:49のリフトオフ見ましょう!
9時からライブ配信の予定です!
ちなみに、ISS到着のライブ配信もあるので、そこも見守るつもりです!
ドッキングする瞬間は手に汗握りますし、管制室の映像も映ると思うのですが、みなさん固唾をのんで見守っている緊張感からドッキング成功の知らせでの安堵の切り替わりに携わっている人たちのドラマが垣間見えます。
もう40時間ほどしかないですが、一番近い大きな宇宙イベントなので、このチャンスを逃さないようにしてください!