みなさんこんにちは!

以前の記事で、人工衛星の打ち上げに関する話題を提供させていただいたかと思いますが、その際に、課題の一つといたしまして宇宙デブリ(宇宙ゴミ)についても若干触れさせていただきました。

今回はその宇宙デブリについて、掘り下げていきたいと思います!

近い将来、みなさんの日常生活の中に当たり前のように存在するかもしれない人工衛星、ひいてはこの宇宙ビジネス。

それに付随する課題等、もはや他人事ではないかもしれません・・・

それでは、宇宙デブリについて詳しく見ていきましょう。

宇宙デブリってどんなもの?

50年以上の宇宙開発により、地球の周りに存在する宇宙デブリ(宇宙ゴミ)。

困ったことに、これらが年々増加しています。

目的を終えたロケットや人工衛星や爆発などから出た破片、故障したものなどが宇宙デブリ(宇宙ゴミ)となり、地球の周りに存在しているのです。

詳細に言えば、有益な目的に使用できなくなった地球軌道を周回する人工物体、宇宙機の廃棄物やロケットの上部、また、それらの爆発や衝突により生じたもの、固体燃料ロケットエンジンの流出物やミッションのために意図的に打ち上げられた物体、さらには宇宙飛行士が誤って落下させた備品や工具などによって構成されています。

まるで、SF映画に出てくる宇宙戦争の後みたいですね。。。

そして、なんとアメリカの宇宙監視ネットワークによって監視されている22,000個中、現在運用されている1,000個の宇宙機を除いたその他すべてが宇宙デブリであるといわれています。

地球軌道上にあるデブリの総数に関して、直径1cm~10cmの粒子の数に限って言えばおよそ50万個、1cm以下の大きさの粒子にいたっては数千万個以上あると考えられています。

地球の軌道周辺のデブリの分布状況に関しては、デブリは地表から高度2,000km以下に存在しており、

高度によりその総数は大きく変化します。

2,000kmというと、東京からおよそ中国の北京までの距離といったところでしょうか。地上から宇宙までの距離として考えた場合、なかなか想像ができませんね。

ちなみに高度800~10,000kmが地球の一番外側の層、つまり外気圏と規定されており、一般的に宇宙と呼ばれる空間となりますが、デブリはこの外気圏内に存在しているということになります。

もう少し詳しく言えば、国際航空連盟という組織が『カーマンライン』という境界線を定義しており、このカーマンラインを超えるかが宇宙飛行とするかどうかの目安となっているようです。

カーマンラインは、高度100kmから上空を宇宙と判断しており、JAXAやNASAも同様の見解であるといいます。

若干話が前後しますが、地球には大気圏と呼ばれる4つの層があることは、ご存知の方も多いかと思います。

地上に近い順番から、『対流圏』『成層圏』『中間圏』『熱圏』と呼ばれており、高度はそれぞれ10km、50km、80kmで各層で温度も異なります。

宇宙空間に近づくほどにどんどん温度は低下し、寒くなっていくものであると考えがちですが、我々の住む地球を有害な物質から守るオゾン層が存在する成層圏、そして大気圏の最も外側の熱圏は温度が高くなるのです。

対流圏、中間圏の温度は平均して-70℃から-90℃あたりを推移しますが、成層圏は-15℃から0℃、熱圏では2000℃にまで上昇するといいます。

ちなみに一般家庭の冷凍庫は-18℃程度ですが、それよりも成層圏の方が温かいということに。これはなかなか興味深いですね。

本来であれば、不要となった人工衛星や宇宙で発生した廃棄物を処理する際は、適切な手段や手続きを経たのちに、今説明したこの大気圏内で焼却するというのが一般的な方法です。

話をデブリに戻しましょう。

デブリが最も集中しているとされる高度は800kmから850kmの範囲であるといわれています。

ちょうど熱圏を突破し、外気圏の下部周辺を周回している状況になりますね。

周回速度に関しては、高度2,000km以下の地球軌道において、当該地球周囲を秒速7~8kmで周回しているといいますが、これをマッハに置き換えるとおよそマッハ23となります。

余談ですが、日本人にとって馴染み深い国民的ヒーローであるアンパンマンがマッハ23で飛行することが可能とのことです。

その一方で、デブリが他の物体と衝突する際には秒速約10kmにまで加速するのだとか・・・これは第2宇宙速度という概念の数値となるわけですが、比較的小さなデブリであっても我々の次元を超えた莫大なエネルギーを内包しているのですね。

宇宙デブリによる事故

 

09年2月、米国の衛星携帯電話用の衛星イリジウムに、運用を終えていたロシアの軍事衛星が衝突しました。

これが最初の宇宙空間内で起きた事故です。

これに対し、宇宙での交通規制ルールを設けようという考えは、昔では想像できなかったことでしょう。

それか、SF映画では既にそうした光景があったから、未来が予想されていた?とも考えられますね。

いずれにしても、宇宙デブリは無視できないレベルに既に達していることでしょう。

宇宙デブリ除去に取り組む企業

 

宇宙デブリを何とかしたいと思っているのは世界共通のようです。

日本でも宇宙デブリに注目している企業は多いようです。

日本では「アストロスケール」という、世界初のスペースデブリ回収企業がとても有名ですが、他にどんな企業があるのかを紹介したいと思います。

「株式会社スカパーJSATホールディングス」は〈JAXA・名古屋大学・九州大学・理化学研究所〉と連携して開発を進めています。

レーザーを搭載した衛星で、遠隔からのレーザー照射でデブリの回転を止め、軌道を変え、大気圏に突入させ除去するという方法です。

レーザー除去衛星を2026年にサービス提供できるように開発しています。

株式会社スカパーJSATホールディングス社のデブリ除去方法を調べて、デブリが回転しながら移動していると、お恥ずかしながら、初めて知りました。

回転を止めることはもちろん、軌道まで変えれるレーザー除去法、安全性にとても配慮されていて素晴らしい技術ですね。2026年が楽しみです。

「JAXA」はアストロスケール社と共同で世界初となる400~500キログラムの大型デブリ回収の実証実験に乗り出しています。

同じ重さの動物で例えると、乗馬や競馬で見かける馬が400~500キログラムです。

そんな重さのデブリを、磁力を使い捕獲した後、大気圏に再突入させて除去するという除去方法で、「アストロスケール社」は2025年までに商業化を目指しています。

あと5年という本当に近い将来に、このプロジェクトの商業化のニュースを聞けるのだと思うとワクワクしますね。

ヨーロッパでは、「欧州宇宙機関」が民間のスタートアップ企業である「クリアスペース」と契約し、『クリアスペース1チェイサー』と呼ばれる、先端に4本のロボットアームを持つ衛星でデブリを捕獲し、大気圏でデブリと衛星を処分するという除去方法を開発しています。

ロボットアームでデブリを捕獲するというと、SF映画やロボットアニメのようですが、そんな光景がこれから先に見られるかもしれないですね。

また宇宙大国アメリカでも、宇宙デブリに取り組む企業があります。

「テザーズ・アンリミテッド」は小型衛星から「ターミネーター・テープ」と呼ばれる導電性のテープを展開し、テープが地球周辺の宇宙環境と相互作用して効力を生み出すことで衛星にブレーキをかけます。そして軌道離脱して大気圏に突入するまでの時間を短縮させることを目指した除去する技術です。

その実証実験に成功したと2020年1月16日に発表しました。

今後も実証を重ね、事業化を目指しています。

ターミネーター・テープは約70mで、小型衛星向けにシステムが限りなく小型・軽量されており、ノートほどの大きさで、質量は約900グラムしかないそうです。

900グラムというとキティちゃん(りんご3個分)と同じですね。とても軽いもので宇宙デブリを除去できる技術を開発するアメリカ、さすが宇宙大国といったところでしょうか。

まとめ

一部の企業を取り上げましたが、宇宙デブリに注目している企業はまだまだあります。

各国、各企業でデブリの捕捉方法は様々です。

調べていく中で、その違いを見つけていくのも楽しいかもしれませんね。

現在ではまだ、宇宙と人類との間に隔たりを感じる人の方が多いかもしれません。

しかし、民間企業を含めこれだけ多くの企業が宇宙ビジネスに着手し、宇宙へ進出しようと奮闘している現状を見ていると、近い将来、人類が宇宙というものをより身近に感じられる時代が到来することは確実であると言えるでしょう。

だからこそ、かつての美しい宇宙を取り戻すべく今この地球上で各々できることを模索し続け、きたるべき時により良い『宇宙生活』を迎えられるように努力していきたいですね!

【参考文献】

JAXAスペースデブリ(宇宙ゴミ)対策

スペースデブリとは | IDEA OSG 1

良く聞かれる質問:スペースデブリ(仮訳):文部科学省

TheAsahiShimbun GLOBE+ 宇宙ごみ「スペースデブリ」、これが実態 衛星ビジネスを脅かす深刻さ

THE SANKEI NEWS 米中露覇権争いが生む「宇宙ごみ」を回収、川崎重工「お掃除衛星」のスゴ技

Astroscale, Securing Space Sustainability

SKY Perfect JSAT Group 世界初、宇宙ごみをレーザーで除去する衛星を設計・開発 ~宇宙のSDGs~ 持続可能な宇宙環境の維持をめざして

マイナビニュース 欧州宇宙機関、2025年にスペース・デブリ除去衛星を打ち上げへ

TC 宇宙産業スタートアップAstroscaleがJAXAと共同でスペースデブリ処理へ

米宇宙企業、テープを使ったスペース・デブリ除去技術の実証に成功

太陽の表面の詳細画像、新型望遠鏡で撮影 2020.01.31 Fri posted at 09:30 JST

宇宙ビジネスジャーナル 大気圏突入 ! 「空」と「宇宙」の境界線でのビジネス

手を伸ばせば届く宇宙の話 第5回 空はどこから宇宙になるの?