みなさんこんばんは!

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です。

今回は昨年の9月から実施されていた『みんなで応援しよう!野口宇宙飛行士 ISS MISSION』というISSに6ヶ月間の長期滞在をする野口宇宙飛行士を応援するために、滞在期間と合わせた『6 months mission challenge』をTwitter上で行っていました。

このキャンペーンは6ヶ月間で達成したいミッション=挑戦を「#挑戦をやめない」をつけてツイートするというもの。

宇宙ビジネスMEDIAでも取り上げていました!【11/15 9:00〜】野口聡一宇宙飛行士の打ち上げ生中継番組の情報が遂に解禁!!

今回は、キャンペーンに参加して選ばれた方が、ISSにいる野口宇宙飛行士とリアルタイム交信ができるというイベントで、オンラインでのイベントにメディアとして取材のオファーを頂いたので参加してきましたので、イベントのレポートとしてお読みください!

第一部 宇宙セミナー+宇宙兄弟コラボイベント

今回当選したのは全員が学生で、小学3年生から高校3年生までの5名です。

野口宇宙飛行士との交信の前に、JAXAのセミナーや宇宙兄弟とのコラボイベントなども行われました。

昨日のスケジュールはこちらです。


19:00~第一部開会挨拶(JAXA 職員)

19:03~イベント参加者のご紹介

19:08~JAXA のお仕事紹介(油井亀美也宇宙飛行士)

19:23~野口宇宙飛行士ミッションのご紹介

19:30~宇宙兄弟コラボ企画

19:40~第一部クロージング

19:45~インターバル

20:00~第二部開会挨拶(JAXA 職員)

20:05~野口宇宙飛行士とリアルタイム交信

20:25~第二部クロージング

20:35~質疑応答


第一部は当選した参加者のみなさんの自己紹介や、油井宇宙飛行士を交えてのJAXAのお仕事紹介のVTRが流れました。

毎回思うのですが、JAXAのVTRがかっこいいですね〜!

ISSやこうのとりなどの運用を担当するフライトディレクターや管制官のお仕事の紹介です。

こちらも宇宙ビジネスMEDIAで取り上げているので、こちらも読んでください!

THE 有人 DAY!!! 宇宙飛行士×「きぼう」×「こうのとり」生配信トークライブ【第1部】

ちなみに、大西宇宙飛行士はフライトディレクターとしても活躍していて、VTRの中でも業務をしている後ろ姿が映されていました!

他にも、今回の野口宇宙飛行士のISS滞在中の衣服を民間企業で初めて手がけたBEAMSの洋服の紹介や、宇宙食の紹介がありました。

これまで宇宙開発をしていなかった企業がどんどん宇宙ビジネスに関わってくる流れが出来上がりつつあります。

宇宙食についても以前に取り上げていますが、『宇宙日本食』としてJAXAが認証している食品が45品目あり、食品業界もどんどん宇宙に商業圏を広げていて、認証されているのは24社、団体があるので、興味がある企業はぜひ目指して欲しいです!

【宇宙で日本の味を】宇宙ではどんなものが食べられているの?【前編】

そして、野口宇宙飛行士のミッションの紹介です。

打ち上げからこれまでのミッションを動画にまとめらられていますが、とにかくかっこいいです!!

動画のあとは、参加者のみなさんから油井宇宙飛行士への質問の時間が設けられました。

Q、油井宇宙飛行士が初めて宇宙に行って無重力を感じられた時はどんな事を思いましたか?

油井宇宙飛行士:宇宙に行くことは長い間の夢で、宇宙飛行士を目指し始めたのが10歳くらいの頃からで、初めて宇宙に行ったのが45歳の時なので、約35年かけて夢を叶えました。

無重力を感じた時、青い地球をみた時、『本当にやり遂げたな』と感じましたし、こんなに美しい地球を見ることが出来て幸せですし、地球の美しさがとても儚く思えてしまって、地球を大切にしなければいけないという思いを強くしました。

Q、油井宇宙飛行士が『宇宙飛行士になった』と自覚したのはいつですか?

油井宇宙飛行士:宇宙に行って仕事をしている時は宇宙飛行士としてのやりがいも感じましたし、宇宙飛行士としてやり遂げているなという感覚はありました。

特にその時は、いろんな補給船が失敗していてISSが物資が足りない危機に陥っていたのですが、日本のこうのとり5号機が救ってくれたのですが、その時は私がロボットアームを操作してこうのとり5号機をキャプチャしたので、自分が宇宙飛行士としてしっかりと仕事をしたなと感じた瞬間でした。

Q、油井宇宙飛行士は宇宙食で好きなものはありますか?

油井宇宙飛行士:私はカレーが大好きですね!日本宇宙食にはカレーとご飯があって、とても美味しくて、他の国クルーにも好評で、クルー間で交換したり、仕事を手伝ってもらいたい時はカレーをあげると喜んで手伝ってくれていました(笑)

油井宇宙飛行士の受け応えの紳士さが光っていました。

全ての質問に対して答える前に、『素晴らしい質問ありがとうございます!』と必ず添えてから話していて、緊張している当選した参加者に対しての気配りが素晴らしかったです!

そして、前半最後は宇宙兄弟とのコラボ企画で、宇宙兄弟の編集をしている株式会社コルクのコムロさんが『宇宙兄弟クイズ』が開催されました!

(「Ⓒ小山宙哉/講談社」「ⒸJAXA」)

一部抜粋しますので、みなさんも考えてみてください!

(「Ⓒ小山宙哉/講談社」「ⒸJAXA」)

(Ⓒ小山宙哉/講談社/ⒸJAXA」)

ここでは、あえて答えは載せませんが、第一問は全員正解で、第二問は正解者は1名だけでした!

答えが知りたい方は調べてみてください!

上位の人には宇宙兄弟に出てくる『アポ』のぬいぐるみ、参加者全員にコラボクリアファイルが送られます。

第二部 野口宇宙飛行士とのリアルタイム交信

いよいよISSに滞在中の野口宇宙飛行士とのリアルタイム交信イベントです。

(JAXA/NASA)

画面上から登場する野口宇宙飛行士(笑)

無重力な宇宙ならではの登場の仕方で当選者のみなさんの空気を和らげてくれていました!

今回の『6 months mission challenge キャンペーン』では野口宇宙飛行士自身も参加していて、Twitterに投稿してある挑戦が、『毎日運動する』『お酒を飲まない』『スマホをいじらない』の3つです。

今のところ、100%達成しているようです!

宇宙飛行士は毎日2時間半は必ず運動するので、宣言する必要もない挑戦だったみたいです!

2つ目の挑戦は、『地上にいると絶対に無理』だと話していましたが、ISSにはお酒がないので、クリアしているようです!

3つ目はスマホの持ち込みが禁止なのですが、ISSに滞在中はミッションでインターネットを使うこともたまにあるようですが、基本的にはインターネットを使わない生活が染み付いてきているので達成しているようです!

宇宙だからこそ100%の達成ですね(笑)

質問タイム

東京都 平井 大和さん(小学3年生 9歳)

Q、野口さんの宇宙飛行士になろうと思ったきっかけや、理由は何ですか?

Q、夢や目標を達成するためにどんなことを心がければいいですか?


平井さんの挑戦は『野球』なので質問に対して、野口宇宙飛行士は用意していたボールを取り出し、「僕の投げる球は早いですよー!何といってもISSは時速25,000km以上で動いていますからね!僕の25,000kmの速球を受けてみろー!」とボールを画面に向かってゆっくり投げました!

(JAXA/NASA)

一人一人の画面が小さいので見づらいですが、参加者の人も笑っていました!

もちろん、取材で参加している池田も笑ってしまいました(笑)

人笑い取ってから平井さんの質問に答えてくれました。

野口宇宙飛行士:宇宙飛行士を目指したきっかけは、平井 大和くん位の時に宇宙の漫画とか、宇宙のテレビ番組を見て、「将来宇宙に行きたいな〜」と思ったのがきっかけです。

大きな夢を掴み取るためには、長い時間をかけてその夢に向かって真っ直ぐ進んで行くことが大事たと思います!

平井くんもこれから、野球も勉強も頑張ってください!


山梨県 永澤 洸青さん(高校2年生 17歳)

Q、宇宙飛行士になるために高校生のうちから頑張るべきことは何ですか?


永澤さんは小学生の時に野口さんの『宇宙においでよ』を読んでから野口さんに憧れているようで、将来は野口さんのような宇宙飛行士になることが夢だと話されていました。

「強いレジリエンスを持って大学合格を目指して頑張ります!」締めていました。

(JAXA/NASA)

永澤さんのコメントに対して、野口宇宙飛行士は『我々の宇宙船の名前のレジリエンスを使ったいただきありがとうございます。あと本の購入ありがとうございます!』とお辞儀して答えていました。

宇宙船レジリエンスですが、直訳すると『回復力』ですが、コロナ禍にめげずに地球上のみんなと協力して、日常を回復しよう、元の生活を取り戻そう!というメッセージが込められています。

野口宇宙飛行士:大学受験など勉強も大変だと思います。宇宙飛行士になるためにどうこうというよりも、目の前にある目標を一つ一つクリアしていくことが大事ですので、まずは大学受験を頑張ってください。

国際宇宙ステーションのような場所働くには英語の勉強はとても大事だと思いますので頑張ってください!


愛知県 梅本 瑛斗さん(小学6年生 12歳)

Q、地球で育つ植物と宇宙で育つ植物とでは栄養価はどれほど違いますか?

Q、月でも地球と同じように植物は育つのでしょうか?


梅本さんの挑戦していることは中学受験で、中学生になってからはロボットやドローンのプログラミングに挑戦し、将来は野口さんの様に何度も宇宙に挑戦できる宇宙飛行士を目指しているようです。

また、月に移住して月面にある縦穴に住居を作り、人間が安全に住める環境を作るという夢もあります。

私は小学6年生の梅本さんの宇宙に対しての知識にびっくりしました!

(JAXA/NASA)

野口宇宙飛行士も専門用語も使っている梅本さんに感心したようで、『宇宙博士みたいだ』と話されていました。

野口宇宙飛行士:ちょうど、この国際宇宙ステーションでも植物を育てる実験はいくつかやっていて、試しに『一晩でどれくらい育つのか』を30秒くらいに縮めた動画をちょうど私のYouTubeチャンネルにアップしたので、見てください!

一晩で驚くほど育ちますよ!

月面やドローンなど大事なキーワードが出てきましたが、ISSでやっている実験は将来人類が、月面や火星、さらに遠くの宇宙に行くための基礎的な準備をしていると思っているので、梅本くんが大きくなった時に月面で、実際にいろんな活動ができることを期待しています!頑張ってください!


福岡県 中村 健人さん(高校2年生 17歳)

Q、野口宇宙飛行士が初めてEVA(船外活動)をしたときはどんな心境でしたか?


中村さんは、天文宇宙検定2級の合格、来年の受験に向けての基礎固め、ランニングで30km走るという3つの挑戦を行っています。

野口宇宙飛行士は昔、東京都青梅市に住んでいたことがあるようで、その時に市で行われる30kmの『青梅マラソン』を何回か走ったことがあるそうです。

(JAXA/NASA)

野口宇宙飛行士:船外活動は昨日、アメリカ人宇宙飛行士の2名がちょうど行っていました。私は今回はお手伝い役ということで、船内で宇宙服を着るのを手伝ったり、戻ってきた時にいろんなツールを片付けたりしていました。

私自身の船外活動もおそらく1ヶ月後には回ってくるので、そこでは頑張りたいと思います!

第1回目の船外活動をしたのはもう15年も前なのですが、ハッチを開けて外に出た瞬間、何もない宇宙にぽっかりと浮かぶ地球の神々しい様な美しさと、命の輝きに満ちた素晴らしい生命力というものを感じたのを覚えています。


宮崎県 木野田 采音さん(高校3年生 18歳)

Q、以前、「なぜ人間が宇宙に行くか」というトピックに対して野口さんは 「人間が宇宙に行くということは、たんに遠くの星に行くことだけではなくて、 地上で僕たちが抱えている問題を、新しい視点から見て解くことができるのではないか。 

それが、僕たちが本当に宇宙に行きたい理由」とおっしゃっていましたが、 実際に野口さんが宇宙に行き、新しい視点からみて何を得て、何を感じましたか? 


将来、宇宙飛行士になりたいとはっきりと宣言した木野田さんは大学の二次試験に向けて頑張っている真っ最中です。

(JAXA/NASA)

今回最年長で、質問も哲学的な内容に野口宇宙飛行士も感心していた様子でした。

野口宇宙飛行士:我々は、国際宇宙ステーションでの様々な科学実験を行うことが仕事で、やってきていますが、宇宙をどう利用するか、単に仕事として使うだけだはなくて、我々人間が実際に宇宙に出ていくことで、どうなっていくのか、更に進化していくのか、我々は今は地球の周りを回っていますが、やがて地球からどんどん離れていった時に、果たして人間が種族としての進化をしていくのかというのは凄く興味があるところだと思います。

それに関しては、地上の問題を解決するために宇宙的な視点から何か解決策が無いか、何か問題にぶち当たった時に違う観点から、いろんなサジェスチョンをする、いろんなトライをすることはとても大事なことだと思うのですが、『宇宙に行く』ということが人類の知的な、あるいは認知的な変化を促すと素晴らしいなと感じています。

私もまだ、たかだか250日程度しか宇宙にいないので、宇宙人類としてはまだ赤ちゃん程度ですが、少しずつ地球から離れるということがどういうことなのかを自分の中で反芻しながら何かの形で、みなさんにまたお話ししたいなと思っています。

今日のところでは、明確にお答えできなくて申し訳ないですが、木野田さんが大学受験を頑張って、大学生、社会人になった時にまたお話しできるのを楽しみにしています。


(JAXA/NASA)

今回のイベントに参加された皆さんに、そして『6 months mission challenge』に参加してくれた全国のみなさんに野口さんから感謝とメッセージがありました。

『半年間の宇宙滞在は長いようで、結構短いのでこの間にやるべき事はちゃんと、自分なりに毎日意識してやっていないと、あっという間に半年過ぎちゃうなというのが今の実感です。

おそらく地上にいる皆さんも、漫然と時間を過ごしていたらあったいう間に、半年、一年、十年過ぎてしまいますが、一日一日を大事にしてその日できることをしっかりとこなした上で、目標を一つ一つ達成していけば、やがて高い場所にみんなも来れるのではないでしょうか。』

最後に野口宇宙飛行士とイベント参加者の全員での記念撮影タイムで締めくくられました。

取材をしていても貴重な時間だったなと感じているので、参加された方々には本当に貴重な経験になったはずだと思います。

野口宇宙飛行士はISSの滞在が後半に突入するので、『6 months mission challenge』のキーワードでもある『挑戦をやめない』で自分の挑戦を続けて、野口宇宙飛行士の今後のミッションも応援して欲しいです!

今後もイベントやライブ配信が行われると思っていますので、その際は宇宙ビジネスMEDIAでも取り上げさせて頂きます!