宇宙にはいくつかの惑星があることをご存知でしょうか?
実は私たちが暮らしている地球も惑星の一つ。
今回はそんな惑星についてそれぞれどんな特徴があるのか紹介します。
惑星とは
太陽系の惑星の数は8個あります。太陽から近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。
太陽系とは太陽の周りを回っている天体のことです。
惑星の条件は、太陽の周りを回り、球体をなすほど重く、近くに衛星を除いて他の天体がないことです。
以前は冥王星も惑星の1つと認識されていましたが、2006年に開かれた国際天文学連合総会で除外されました。冥王星と同じような天体が数多く発見されたことから準惑星と区分するようになりました。
太陽系にはいくつかの惑星がありますが、ガスを中心にした木星型惑星、氷を中心にした天王星型惑星、岩を中心にした地球型惑星の3つに分類されています。
水星・金星・地球・火星は地球型惑星です。
木星・土星は木星型惑星です。
天王星・海王星は天王星型惑星です。
水星
水星は太陽系の中で最も太陽に近い位置にあります。
水星は、太陽系の惑星の中で大きさ、質量ともに最小の惑星です。
ちなみに水星から太陽を見ると地球から見たときの3倍大きく見えるそうです。(提供: NASA)
概要
直径 | 4879.4Km(地球の約0.4倍) |
質量 | 3.285×10^23kg(地球の約0.06倍) |
重力 | 3.7m/s² |
水星の直径は地球の0.38倍です。
もし地球の大きさが野球ボールだとしたら水星の大きさはゴルフボールほどです。
重力は小さな惑星ほど小さくなる傾向があります。太陽系の中で小さな水星の重力は、地球の重力の0.38倍になります。例えば、水星の場合体重が軽くなったり、ジャンプしたら地球の3倍高く飛べたりします。
水星の表面は月に似て無数のクレーターに覆われています。
由来
惑星の名前はギリシャ神話、古代ローマの神々の名前が由来になっています。
水星(Mercury)の由来は、ローマ神話の商業と盗賊の神メルクリウスです。
水星が太陽の周りを素早く動くことから名付けられたそうです。
気温
昼間の最高気温は430度に上り、夜は-180度になり気温差が激しいです。
昼間は太陽の熱を地球の7倍受け、夜は大気がないことから全ての熱を放出します。
この寒暖差は太陽系の惑星の中で最大です。
1日と1年の長さ
水星は太陽の周りを88日で回っています。つまり、水星の1年は88日しかありまん。また、水星の自転は遅く約59日です。このため、水星の1日は地球の176日分もかかってしまいます。つまり水星の1日は水星の2年間分になります。
水はある?
水星という名前から水があると考えたことがある人もいるのではないでしょうか?
水が存在したとしても430度も気温があり、すぐに蒸発してしまいます。
水星探査機「メッセンジャー 」の調査により、地下に大量の氷が眠っている証拠を発見されました。北極点に当たる部分には太陽光が届かないため氷が溶けることなく残っているそうです。
金星
金星は太陽から2番目に近い惑星です。地球に最も近くにある惑星です。金星はサイズと構造が似ているため地球の双子と呼ばれています。(提供: JAXA)
概要
直径 | 12,104Km(地球の約0.95倍) |
質量 | 4.867×10^24kg(地球の約0.8倍) |
重力 | 8.87m/s² |
金星の直径は地球の0.95倍、質量も地球の0.82倍と大きさ、重さともに地球の最も似た惑星です。
由来
金星(Venus)の由来は、ローマ神話の愛と美の女神ウェヌス(ヴィーナス)です。
金星が天空で最も明るく輝く惑星だったことから名付けられたそうです。
気温
金星が輝いて見える理由は、太陽の光を反射しているためです。反射しているので気温が低いことが想像できますが、昼も夜も温度は約460度です。太陽に一番近い水星よりも高い温度になります。
金星の大気は95%が二酸化炭素です。二酸化炭素の温室効果がはたらき、太陽の熱が逃げないため、地表の温度が高温になります。ちなみに地球の二酸化炭素の割合は0.04%です。
自転と公転
金星の公転周期(太陽を一周する時間)は約225日です。それに対し自転周期(惑星が一周する時間)は約243日です。自転周期の方が長い特徴があります。
ちなみに、金星は自転する回転方向が逆であり、太陽系の惑星の中で金星だけが持つ特徴になります。太陽が西から昇って東に沈みます。
生命が存在する?
2020年9月14日に科学者からなるチームが大気中に生命体が漂っている証拠になるものを発見したと発表しました。
金星の地表から50km上空の雲の中からホスフィン(有毒ガス)と呼ばれる気体が含まれていることが分かりました。岩石惑星では人間や微生物からしか生成されないと考えられているからです。そのため、大気中に存在する微生物がホスフィンを放出している可能性が考えられます。
地球
私たちが住んでいる地球は太陽から3番目に近い惑星です。表面に水がある唯一の惑星です。(提供: NASA)
概要
直径 | 12,742Km |
質量 | 5.972×10^24kg |
重力 | 9.807m/s² |
太陽を直径1mの模型だと例えて見ると、地球の大きさは小さな豆電球ぐらいの大きさになります。
地球には月と呼ばれる衛星があります。月の引力の影響により満潮、干潮が発生したりします。ちなみに月は1年間に約3.8cmずつ離れていってます。
由来
地球は英語でEarth、ラテン語でTerraです。由来は、ローマ神話の大地の神Tellus(Terra)テルースです。日本語における「地球」の由来は中国から来ているそうです。
大気
地球の表面は、78%が窒素、21%が酸素です。大気は地球の長期的な気候と短期的な気候に影響を与えます。また、大気は太陽からくる有害な放射線を保護します。
自転と公転
地球の公転周期は約365.25日です。余分な1/4は4年に1度閏年として366日になります。自転周期は23.9時間で、ほぼ1日です。回転する際、太陽の光が当たる場所は昼になり当たらない場所は夜になります。
火星
火星は太陽から4番目に近い惑星です。火星が赤く見える理由は酸化鉄(赤さび)が地表に大量に含まれているためです。元々は火星にも海があったと考えられていますが、重力が弱いため宇宙に消えてしまったそうです。(提供: NASA)
概要
直径 | 6,779Km(地球の約0.5倍) |
質量 | 6.39×10^23kg(地球の約0.1倍) |
重力 | 3.71m/s² |
火星の大きさは地球の約1/2、質量は約1/9です。重力は地球の約1/3で水星の重力とほぼ同じです。
例えば、火星でジャンプして見ると約0.9m飛べ、2秒間宙に浮くことができます。ちなみに地球では0.46m飛べ、当然宙に浮くことはできません。
火星には衛星が2つあります。形は丸くなくジャガイモのような形をしてます。衛星の1つである「フォボス」は火星に向けて移動しており衝突すると考えられています。
由来
火星(Mars)の由来は、ローマ神話の戦いの神のマルスです。火星の表面は赤いため、戦火や血のイメージから名付けられたそうです。ちなみに、金星の由来であるヴィーナスと恋人だったと言われています。
気温
火星の最高気温は20度、最低気温は−140度になります。平均気温は−43度になり非常に寒いことが分かります。大気が薄いため太陽の熱を保つことができないためです。
火星の大気は二酸化炭素が90%以上あり酸素は0.1%です。大気のほとんどが二酸化炭素で構成しているため気温が高いと思いますが、大気が薄いため温度が上がりません。
自転と公転
火星の公転周期は687日、自転周期は24.6時間です。日本と同じように火星にも四季があります。火星と地球は2年2ヶ月ごとに接近します。次回の接近は2022年の12月1日です。
テラフォーミング
テラフォーミングとは惑星を改造して人類を住める環境にすることです。
スペースX社のイーロン・マスク氏が火星のテラフォーミング計画を立てています。
火星を住める環境にするには、気温の上昇することが重要です。
しかし、火星を温めるための十分な二酸化炭素が含まれていないことを判明しました。現代の技術ではまだ住める環境に変えることは難しいようです。
木星
(提供:NASA)
概要
直径 | 139,820km(地球の約11倍) |
質量 | 1.898×10^27kg(地球の約317倍) |
重力 | 24.79 m/s² |
太陽系の惑星の中で、最も大きくて質量が最大です。地球の11.2倍の大きさもあります。
地球の大きさをピンポン球に例えた場合、木星はバスケットボール程の大きさになります。
また、水星や金星とは異なり、水素やヘリウムなどのガスで形成された惑星でもあります。
そして、大赤斑と呼ばれる巨大な渦があることや衛星数が79個と非常に多いことも特徴です。
重力
木星は重力が非常に強く、人間が住むには厳しい環境です。
その重力は地球の約2.3倍に及び、例として体重60kgの人が木星に行くと、138kgの重みを感じることになります。地球上では軽くその場でジャンプが出来たとしても、木星では重力に引っ張られる力が大きく、ジャンプが全然出来ないということです。
気温
太陽から距離が離れているので表面温度は平均して-144度です。
太陽から受け取るよりも大きなエネルギーを放出しており、中心に行くほど温度が上昇していきます。中心部の温度はおよそ1万6000℃に及ぶと推定されています。
木星に存在する大赤斑
木星の表面には赤道と平行に特徴的な縞模様があります。大赤斑と呼ばれる巨大な高気圧の渦によってその縞模様ができました。大赤斑は秒速110mのスピードで回転し続けています。回転によって巻き起こる渦は地球3個分に匹敵する大きさです。
土星
(提供:NASA)
概要
直径 | 116,460km(地球の約9.5倍) |
質量 | 5.683×10^26kg(地球の約95倍) |
重力 | 10.44m/s² |
太陽系の惑星の中では、木星の次に大きい惑星です。
地球の大きさをピンポン球に例えた場合、木星はバレーボール程の大きさになります。
衛星数は64個あり、木星衛星『ガニメデ』に次ぐ、太陽系で2番目に大きい衛星『タイタン』が存在しています。タイタンにはなんと海や山があります。専門家は地球に酸素ができる前の状態だと分析しています。
また、木星と似たような構成をしており、ガスを主成分としています。
重力
土星は地球と比較すると重力が大差ないので、仮に人間が土星に降り立っても、ほぼ違和感なく過ごすことができます。しかし、ガスが主成分となっていて出来た惑星なので、地面のようなものは存在せず、ガスの中を浮遊するしか方法はないので、現状土星で過ごすのはかなり厳しいといえます。
気温
木星同様、太陽からかなり距離が離れているので、熱が届きにくく、表面温度が平均-138度と、寒さが厳しい環境になっています。
土星の環
イタリアの天文学者 ガリレオ・ガリレイが土星を観測した際に、明確に観測することが出来ず、3つの星が結合していて耳があることを提唱していました。
土星の環は1枚の円盤のように見えますが、実際には無数の細い環が集まって出来ています。外側からAリング、Bリングと名づけられ、全部で8つの層に分類されています。
土星の環の成分は、氷のかけらで出来ていて、層ごとに大きさが異なっているほか、岩石なども浮遊しています。
木星と土星の大接近
2020年12月。木星と土星が大接近している様子が観測されました。
2つの惑星が大接近するのは1623年以来の397年ぶりで、次回の大接近は60年後の2080年になるといわれています。
(引用動画元:ウェザーニュース)
木星と土星は会合周期を持っていて、20年に一度、同じ方向に並びます。
20年周期で起こる接近現象ですが、毎回大接近になるとは限りません。
その理由として、それぞれの公転軌道がわずかに傾いているので、平面上は同じ方向に見えたとしても、軌道が上下にずれているからです。
今回の現象はそれぞれの軌道が交わる点の近くの接近で、軌道の間隔が非常に狭かったので数年ぶりの大接近になりました。
天王星
(提供:NASA)
概要
直径 | 50,724km(地球の約4倍) |
質量 | 8.681×10^25kg(地球の約15倍) |
重力 | 8.87m/s² |
1781年に発見された惑星で、全惑星の中でも比較的新しい惑星です。ちなみに天王星は望遠鏡を使って発見された初めての惑星です。
太陽系の惑星の中では3番目に大きく、木星・土星に次ぐ大きさです。
天王星の幅は地球の約4倍の幅です。地球が大きなリンゴだとしたら、天王星はバスケットボールの大きさになります。
天王星は横向きに回転する惑星です。
木星・土星同様、ガスを主成分とし水素とヘリウムとメタンで構成されています。
また、これまでに接近した宇宙船が探査機ボイジャー2号のみという珍しい存在を持っています。
気温
地球と太陽の距離が約1億5000万kmであるのに対し、天王星は太陽から約28億7000万kmも離れています。太陽から離れた位置にあるほど、熱が届きにくいので平均-205度と極寒な環境になっています。
天王星が青く見える理由
天王星の大気にはメタンが他の惑星より多く含まれています。
メタンには赤い光を吸収して、青い光を散乱させる効果があります。
太陽の光が天王星の大気に入ったとき、この効果が作用されます。
青く見える理由は、メタンの性質によるものだったということです。
海王星
(提供:NASA)
概要
直径 | 49,244km(地球の約3.9倍) |
質量 | 1.024×10^26kg(地球の約17倍) |
重力 | 11.15m/s² |
1846年に発見され、天王星よりも新しい惑星です。
太陽系の惑星の中では、太陽から最も遠い場所に位置する惑星です。太陽系では、唯一肉眼では見えない惑星です。大きさは木星・土星・天王星に次いで4番目の大きさです。ですが、天王星と余り大きさは変わりません。
海王星は水素とヘリウムで構成されたガス惑星で、天王星型惑星に分類されています。
距離
太陽から最も遠い位置ということは一体どのくらいあるのでしょうか?
地球からの距離は43億5000万km。太陽から地球までの距離が約1億5000万kmなので、計算すると海王星は太陽から約45億kmも離れていることになります。太陽から地球の約30倍離れています。
太陽の光が到達するまでに4時間もかかるそうです。
気温
太陽系の一番外側を回っている惑星であり、なおかつ太陽から最も離れている惑星なので気温は他惑星と比べると低いことが分かります。
平均-220度の環境下では、とてもじゃないですが人間が過ごすことは不可能ですね。
水のイメージが強い海王星の実態
海王星といえば、『水』のイメージが強いかと思います。
ですが、気温が-220度の環境下では水を形成することができても、温度環境によって『氷』になってしまいます。海王星の構成要素でもあるメタンやアンモニアも凍っています。
どちらかというと氷の惑星と捉えるほうが堅実でしょうか。
海王星が青く見えるのは天王星同様、メタンが含まれているからです。太陽光が当たることで、青い光が散乱し、青く見えるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
それぞれの惑星には他の惑星には無い特徴や発見があったかと思います。
天体観測するときは月や星だけでなく、惑星にも着目してみると面白いですよ。
もし気になった惑星があったら、是非調べてみてくださいね!
それではまた。よいお年を!!
【参考文献】
太陽系にある惑星の名前の由来知ってる?科学館職員が一挙紹介!
Overview | Mercury – NASA Solar System Exploration
5分でわかる水星!温度や大きさなどの特徴、生命体がいる可能性を解説!
5分でわかる金星の特徴!大きさや温度、大気、自転などをわかりやすく解説!
Overview | Venus – NASA Solar System Exploration
金星に生命の痕跡? 驚きの発見について知っておくべき5つのこと
5分でわかる火星の不思議!気温、重力、生物はいるのかなどわかりやすく解説
他の星ならどのくらい高くジャンプできる? —— たとえば冥王星なら?
Overview | Mars – NASA Solar System Exploration
NASA「ん? 火星を地球化するテラフォーミングは今の技術じゃ無理だよ」
5分でわかる木星の特徴!温度、重力、表面や内部の謎などをわかりやすく解説
5分でわかる土星の特徴!輪、温度、衛星タイタンなどもわかりやすく解説!
5分でわかる天王星!特徴、温度と色、輪、自転軸などをわかりやすく解説!
5分でわかる海王星!特徴、衛星、水はあるのかなどわかりやすく解説!