みなさんこんにちは。
宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!

12月は多くの宇宙企業からリリースが発表されているので、ほぼ毎日何かしらの記事を掲載しています。
それだけ日本の宇宙産業が活発になってきているということでしょう。

今回は超小型衛星コンステレーションのインテグレーターとしても活躍している株式会社アークエッジ・スペースの月にまつわるリリースです🌕
アルテミス計画も進み、日本での月面開発も話題に上がっていますが、それらを支えようという仕組みに動いています。

リリース

超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供を行う株 式会社アークエッジ・スペース(本社:東京都江東区、代表取締役 CEO :福代 孝良、以下「アークエッ ジ・スペース」)は、この度、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の宇宙戦略基金「月測位システム技術」の実施機関として、2024年 11月22日に採択されましたことをお知らせします。
本プロジェクトは、NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(欧州宇宙機関)が主導し、JAXAが参画する国際的枠組「LunaNet」構想の一環として、月測位衛星システム「Lunar Navigation Satellite System(LNSS)」の開発により、月探査および月面経済活動を支える基礎インフラの構築を目指すものです。

(提供:アークエッジ・スペース)
月測位実証ミッションの概念図

本プロジェクトはJAXAの宇宙戦略基金の支援のもと、最長4年の開発期間にわたり、最大50億円の支援枠が設定されています。
当社は、100kg級超小型衛星を開発し、「月測位ペイロードシステムの開発」、「月測位システム実証衛星の開発及び運用システムの検討」、「ミッション評価システムの検討」という3つの主要課題に取り組みます。
これにより、開発費用の削減や開発期間の短縮を実現しつつ、LNSSの主要技術の向上及び将来的な月測位システム実証衛星の実現を目指します。

さらに、LNSSの技術は月探査や月面経済活動の支援にとどまらず、地球低軌道における「低軌道測位衛星システム(LEO PNT)※1 」への応用も見込まれています。
これらの取り組みは、月面探査の効率化や安全性の向上に限らず、民間企業が月を新たな経済圏として活用するための重要な基盤とな ります。
さらに、火星圏やその先の深宇宙探査を視野に入れた次世代技術としても大きな意義をもっています。

現在、月面探査活動はアルテミス計画をはじめ国際的に活発化しており、2030年代にはさらなるプロジェクトの展開が見込まれています。
他国では、月面活動を支える基礎インフラとして、定常的な月測位 サービスの整備が検討されています。特に月面におけるローバーの走行支援や基地建設、資源開発など、多様化する月面活動を安全かつ効率的に支援するためには、月においても地球のGNSS(Global Navigation Satellite System)に相当するリアルタイムかつ高精度な測位サービスが不可欠とされています。

アークエッジ・スペースはこれまで、JAXAと共同で、月近傍における測位・通信の研究開発を進め、 LNSSの実現を目指し取り組んできました。
さらに、2021年度以降、「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)として複数の契約を受託し、月面活動に不可欠な通信・測位インフラの構築を推進してきました。
また、IOC(初期運用サービス)として、国際的に協調した高精度・広域的な測位サービスの提供を目指しています。
また、こうしたLNSSの実現に向けた主要サブシステムの開発を通じ、日本の宇宙技術の進展と国際社会における競争力強化に貢献するとともに、月・深宇宙探査技術の進化を支える基盤づくりに寄与するべく努めてまいります。

なお、本プロジェクトに関する進捗や技術成果については、適宜情報公開予定です。

■事業概要
名称     :宇宙戦略基金技術開発テーマ「月測位システム技術」
技術開発課題 :月測位システム実証衛星及び主要サブシステムの開発
支援期間   :最長4年間
支援上限額  :50億円 ※支援期間や支援上限額は契約に向けた調整の中で変更される可能性があります。
参考URL      :https://fund.jaxa.jp/techlist/theme15/

<月測位衛星システム(LNSS)の特徴及び月測位システム実証衛星の概要>
LNSS衛星から測位信号を月面に向けて配信するためには、LNSS衛星自身の位置(軌道)および時刻の高精度な決定も必要です。
アークエッジ・スペースとJAXAが共同で進めてきた検討では、地球周回軌道から約38万kmの距離を越えて月近傍まで届いたGNSS衛星の漏れ電波を受信し、得られた観測量を用いて測位衛星の軌道時刻決定を衛星機上(オンボード)で行います。

本開発および検討では、この軌道時刻決定手法を実現するための航法システムや、高安定の時刻系システムなどの主要サブシステムの開発と統合等を実施し、これらの技術を月周回軌道で実証するための月測位システム実証ミッションの実現を目指します。

※1 <参考:関連するアークエッジ・スペースの取り組み>

(出典:qzss.go.jp)
低軌道測位衛星システム(LEO PNT)の特徴を示す概念図

アークエッジ・スペースは、2024年10月、JAXAと共同で、低軌道測位衛星システム(以下「LEO PNT」) の検討を開始しました。
LEO PNTは、地球低軌道を周回する小型衛星コンステレーションによって、従来のGNSSより、高強度、高精度の測位情報をグローバルに提供することが期待されるシステムです。
LEO PNTは、LNSSと同様にGNSS衛星の電波を受信し、得られた観測量をベースに衛星オンボードで軌道時刻決定を行って生成した測位信号を配信するため、LNSSの実現に向けた主要サブシステムの開発で得られた最先端技術や知見を応用可能です。
アークエッジ・スペースは、月の基礎インフラ構築に資する本プロジェクトにより、着実に技術力を向上させると共に、地球周回軌道における事業へ価値を還元してまいります。

■株式会社アークエッジ・スペースについて
アークエッジ・スペースは、超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的な ソリューション提供を行う宇宙スタートアップ企業です。

“衛星を通じて、人々により安全で豊かな未来を”実現することを目指し、今後は地球観測、船舶向け衛星通信(衛星VDES)、光通信、低軌道衛星測位等に対応した超小型衛星コンステレーションの構築を実現するとともに、月面活動にむけた衛星インフラ構築や深宇宙探査など、多様なミッションニーズに対応し、誰でも手が届く宇宙の開発利用を推進します。

本社所在地       :東京都江東区有明一丁目3番33号ドーム有明ヘッドクォーター3階
代表取締役CEO:福代 孝良(ふくよ たかよし)
設立                :2018年7月
WEB               :https://arkedgespace.com/

あとがき

分かりやすく言うと『月面版GPS』ですね。
日常生活でナビやマップアプリなど使っているかと思いますが、それは地球を回っている人工衛星のおかげです。
これから月面開発に挑戦していく上で、アークエッジ・スペースが手掛ける測位システムは重要になってきますね!

日常に置き換えると、行ったことがない場所で、地図も見ずに目的地を探すよりも、ナビやアプリを使った方が簡単で安心ですよね♪

今はまだ38万km離れていて、時折見上げる対象になっている月ですが、既にSLIMが到着していて、SORA-Qもいます!
アークエッジ・スペースが月面インフラを整備してくれればさらに続々と月面に降り立ってからのミッションの幅が広がり開発が進みます。
もう見上げるだけの”月”ではなく、ビジネスのフィールドになっていこうとしています。

宇宙ビジネス自体はすぐに実現することばかりではないですし、必ずしも全てが成功するわけではありません。
それでも、挑戦を続ければこれまでのトラブルや障害も糧にして成功していきます。

みんなで宇宙ビジネスの未来を応援していきましょう✨