皆さんこにちは!
つい先日びっくりするものが宇宙に打ち上げられたのをご存知でしょうか??
そう…それは、チキンナゲット!
We don’t know who needs to hear this, but we sent the first ever chicken nugget into space today 🧑🚀
Why? We have no idea, but it was out of this world! 😉 pic.twitter.com/XGmkT9ShBO
— Iceland Foods ❄️ (@IcelandFoods) October 13, 2020
このおいしそうなチキンナゲットを宇宙に打ち上げたのは
イギリスの「アイスランド」というスーパーマーケットチェーンです。
今回は、宇宙に打ち上げる為のスペースバルーン(宇宙撮影)についてや、
日本で打ち上げる場合の法律などを特集していこうと思います!
世界初の試み?! 宇宙に行ったチキンナゲット
まず最初に、なぜイギリスのスーパーマーケットチェーン
「アイスランド」はチキンナゲットを宇宙に打ち上げたのでしょうか?
なんと、このスーパーマーケットは創業から50周年のお祝いにチキンナゲットを
宇宙に打ち上げるという世界初の試みを行ったそうなのです。
このチキンナゲットは北ウェールズにある農場から空高く打ちあがり
約2時間かけて大気圏を突破し成層圏に到達し、-60℃にも耐えたそうです。
チキンナゲット約88万個の高さ、約30㎞(11万フィート)の高度まで上昇しました。
なぜチキンナゲットだったのかは、打ち上げた彼らもわからないそうですが、
元々不動の人気だったチキンナゲットは、新型コロナウイルスで
外出がままならないなか売り上げを伸ばしている商品だそうです。
大気圏とは?
大気圏や成層圏について皆さんは知っていますか?
私は、聞いたことはあるけど詳しくは知らないなぁと思ったので簡単に説明致します!!
大気圏
まず初めに大気圏は5つの層からできているのを知っていますか
地上に近いところから、
「対流圏」 「成層圏」 「中間圏」 「熱圏」 「外気圏」
この5つの層からできています。
私たちがいる地上から約12km上空までが対流圏にあたります。
(12㎞は東京駅から東京ディズニーランドあたりまでの距離と同じです。)
また、対流圏では雲の発生や雨や雪、雷などの天気現象が起きているところです。
また、エベレストや飛行機などか対流圏に存在します。
成層圏
先程の説明にあったように、対流圏の上部に成層圏があります。
上空の12kmから約50kmが成層圏にあたります。
(50kmは東京駅から茨城県つくば市あたりと同じ距離です。)
成層圏では、私たちの生活にかかわる気象観測気球が打ちあがる場所です。
中間圏
あまり聞かないところですが、
上空50kmから85kmが中間圏にあたり、ここでは流星が流れたりなどします。
(85㎞は東京駅から箱根町あたりまでと同じ距離です。)
次に熱圏というまた聞きなれないところですが
上空85km~800kmの範囲でその名の通り、かなりの高温になっています。
(800㎞は東京駅から大分県大分市や北海道の千歳空港あたりまでと同じ距離です。)
また、上空100kmのところではオーロラが発生しているようです。
そして、意外にも宇宙の境界線がここ100kmのところなのです。
(100㎞は東京駅から栃木県宇都宮市あたりまでと同じ距離です。)
その上では、スペースシャトルや巨大な有人実験施設である国際宇宙ステーションなどが存在しています。
(スペースシャトル関連の事故が4回ほど起きてしまった事や、莫大な維持費など様々な問題があり、スペースシャトルは2011年に廃止されていますが、わかりやすい例えとして入れました。詳しくはこちらをご覧ください)
最後に、外気圏ですが上空800kmのところでほとんど空気がなく真空状態の空間になっているようです。
また、800kmと記載致しましたが、資料によって記載にバラつきがあるなど割と曖昧になっておりました。
(出典:Wikipedia commons)
スペースバルーンとは?
皆さんもよくバラエティー番組で、宇宙で人形などを撮影しているものを見たりしますよね。
宇宙での撮影を可能にする、「スペースバルーン」とは成層圏や中間圏まで風船(気球)を上げて映像を撮影する技法のことです。
風船は高度30km以上の高度まで浮力のみで上昇し、破裂します。
東京駅から30㎞を各方面への距離で例えると、千葉県方面だと我孫子駅位まで、神奈川県方面だとよこはま動物園ズーラシア位まで、埼玉県方面だと春日部市位までと同じ距離です。
車や電車で大体1時間くらいの距離です。
この距離を見ると成層圏のある30㎞が近く感じられますね。
打ち上げに必要な材料と費用
宇宙での撮影に必要な材料を知っていますか?
実は自分たちでも手に入れやすいものでできているんです。
まずは、風船。
日本では個人が大きな気象観測用のゴム気球を買うことができません。
気象観測用のゴム気球は官公庁や大学・研究機関、民間気象会社にしか販売されていないのです。
なので、イベント用の風船などを代用します。約1000円から大きいもので約90000円までピンキリです。
次に、ヘリウムボンベです。
ヘリウムボンベは購入することもできますが、レンタルもあります。株式会社夢ふうせんや楽天市場などのサイトでもレンタルは可能で、約20000円からレンタルできるようです。
そして、カメラとGPSも重要です。
カメラはなんでも大丈夫ですが、撮影モードのできるカメラを選びましょう。
GPSは気球を回収するためにとても重要です。
GPSは携帯で位置情報を確認できるものだと、約10000円から購入できます。
価格.comからも探すことができます。
さらに、カメラやGPSが壊れないように発泡スチロールなどでケースを作っておくことも必要ですね。
全体で10万円くらいあればそこそこのものが出来上がりそうですね。
日本で打ち上げる時の注意点
少し難しく長かったので、
自分なりに簡単にわかりやすくまとめてみました!!
1.公共の安全を確保する
これは、当たり前といえば当たり前ですね…
2.打ち上げを行う際には、書面などで内閣総理大臣の許可を受けなければなりません。
(氏名又は呼称、住所、打ち上げを行うロケットの設計、
また打ち上げを行う場所が陸以外であれば船又は航空機に搭載された打上げ施設では、船か航空機の名前又は登録された番号、
そして、構造及び設備(第十六条第一項の適合認定を受けた打上げ施設にあっては、その適合認定番号)などの提出が必要になります。
3.人工衛星等の打上げを予定する時期、人工衛星の打上げ用ロケットの飛行経路並びに当該飛行経路と打上げ施設の周辺の安全を確保する方法を含む人工衛星等の打上げの方法が決められた計画書
4.人工衛星の打上げ用ロケットに搭載される人工衛星の数並びにそれぞれの人工衛星の利用の目的と方法
5.その他内閣府令で定める事項
とあります。
”内閣総理大臣”とびっくりな人物が出てきましたが、
なぜかというと、宇宙条約(正式名称:月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を規律する原則に関する条約)では、
民間企業の活動についても国が国際責任を負担し、許可や継続的監督を必要であるとの規定されています。
また、宇宙損害責任条約(正式名称:宇宙物体により引き起こされる損害についての国際責任に関する条約)において、
人工衛星等の落下によって諸外国が被った損害について、
国が無過失責任を負うと規定されているので、宇宙ビジネスへの民間参画には、
国の関与が必要になってきます。
そのため日本国内、人工衛星等の打ち上げを行おうとする者は、打上げの度に、
所定の申請書類を提出して内閣総理大臣の許可を得る必要があるのです。
打ち上げるためにさらに細かく知りたい方は、シャフト株式会社さんのページに、航空法・電波法・道路交通法・国際民間航空条約(シカゴ条約)・高圧ガス保安法や安全への配慮について詳しく書いてあるので、そちらを参照してください。
まとめ
スペースバルーンというと日本では聞きなじみがあまりないと思いますが、海外、とくにアメリカでは盛んに行われているようです。
日本のバラエティー番組でも宇宙で写真を撮る企画をするときはアメリカで行っているようです。
日本では法律や広い土地がないという理由であまり盛んには行われていませんが、宮古スペースバルーンコンテストやスペースバルーンプロジェクトなど少しずつその活動が広まっています。
個人では岩谷圭介さんという方が日本で初めて宇宙撮影を成功させ、さらに100回以上のプロジェクトを成功させてきました。
ふうせん宇宙撮影というサイトでは岩谷さんが今までの打ち上げで撮られた美しい写真や動画を見ることができます。
因みにスペースバルーンコンテストは岩谷さんが設立した「株式会社岩谷技研」が主催し開催しました!
いつか宇宙ビジネスMEDIAでもスペースバルーンをあげて宇宙の写真アップしたいです(願望)。
皆さんもスペースバルーンをあげることがあれば、法律をきちんと守り安全に気を付けてくださいね。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
【参考文献】
ゼロからスタート!”手づくり気球で宇宙撮影”(5)―機体のつくりかた―
【宇宙と法律】宇宙ビジネスへの法整備「宇宙活動法」を弁護士が解説
5分でわかる大気圏!高度や温度、成層圏などの特徴をわかりやすく解説!
【宇宙開発】スペースシャトル事故まとめ。宇宙船が爆発→飛行士の遺体は?