皆さんこにちは!!
10月23日に宇宙飛行士の募集が開始されたのをご存知ですか?
今回は、謎の多い宇宙飛行士についてなるための条件や、訓練内容、期間など
色々お話していこうと思います!
13年ぶりの宇宙飛行士の募集とその背景
なぜJAXAは、13年ぶりに宇宙飛行士を募集し始めたのでしょうか?
なんと今、日本で活躍している宇宙飛行士の7人の平均年齢が51歳と高齢になり、
60歳が定年のため、このまま新規採用がなければ10年後には2人だけになってしまうのです。
また、最近動き始めているアルテミス計画の為の人材育成もされるようで、
宇宙飛行士の育成には5年程度かかることから、継続的な有人宇宙活動のため定期的に新規募集を行い世代交代を進めていくようです。
なんと今回採用される宇宙飛行士は、日本人として初めて月面に降り立ち、
月面車など新たなシステムの操作を行う可能性もあるそうなのです!!
また、21年秋の新規募集の応募条件は検討中ですが、1年ほどかけて書類選抜や適性検査などで若干名を選ぶそうです。
従来はJAXAが主体となって募集や選抜、訓練を実施していましたが、今回は民間企業のノウハウやアイデアも活用する方針そうです。
例えば、教育や人材関連企業が応募者の知識やスキルを評価するノウハウ、航空や自動車などの産業で専門技術者を育成訓練する経験などを活用することを想定しています。
若田さんは「民間の優れた力が有人宇宙活動を持続的に発展させることにつながる」と話されました。
今まで宇宙に行った飛行士の国別数
宇宙に行った宇宙飛行士で最も多いのは、アメリカで347名
その次は、アメリカに比べ数が半数以上減り
旧ソ連であるロシアが123名で
ここから格段に人数が減り、日本が12名で
中国、ドイツ、フランス、カナダ、イタリアが10名前後となり
それ以外の国は1~2名と数がかなり減ります。
その中でも女性の宇宙飛行士は少なく、
アメリカで50名、ロシアで4名、日本で2名となっています。
その他の国でも女性の宇宙飛行士の人数は少なく、ほとんどの国で0名、多くても2名という国が多いです。
アメリカやロシアの女性宇宙飛行士の人数はもっと多いと思っていただけに、今回調べて人数が少なかったことに驚きました。
アメリカでの宇宙開発や宇宙飛行士の育成といえば、NASAが有名で1958年に設立され歴史があるだけに人数が多いことに納得ですね!
また、ロシアも旧ソ連の時から研究を行い宇宙分野に貢献し力を入れていたので、納得ですね!!
宇宙飛行士になるには
誰でも宇宙飛行士を目指せるのかというと、そうではありません。
宇宙飛行士を目指している方はすでに知っているかもしれませんが、今回JAXAが発表した応募条件を簡単にまとめました。
応募条件
大事な条件は日本国籍を持っていて、自然科学系の大学を卒業していることです。
(自然科学系の大学とは理学部、工学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部等です。)
さらに自然科学系分野における研究、設計、開発、製造、運用等に3年以上の実務経験(平成20年6月20日現在)を有することも大事です。
また、柔軟な対応力、身長が158cm以上190㎝以下であること等の医学的特徴や、協調性、適応性、情緒安定性等の心理学的特性なども重要となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
訓練業務
合格した後、宇宙に行く講師候補者は2年間程度アメリカのNASAで宇宙飛行士候補者訓練を受けます。
NASAでは宇宙飛行士に必要となる化学・技術の知識やISS(国際宇宙ステーション)/JEM(日本実験棟「きぼう」)のシステムの概要などを学びます。
その他にも、英語、ロシア語も習得します。
候補者訓練を終了後は、これらの訓練結果の評価によって、JAXA宇宙飛行士に認定されます。
認定後、ISS計画に参加する日本やアメリカ、ロシア、欧州及びカナダの宇宙機関にてISSの各システムとその操作技術などを学びます。
ISSの搭乗が決定すると、ミッション遂行に必要なISSの操作手順、実験操作手順などの訓練及び有人輸送機の操作訓練などを1年半程度行います。
宇宙でトイレを使うための訓練もあるそうです。
宇宙では体がういてしまうので、体が浮いた状態で直径10cmくらいのトイレの吸いこみ口に正確に座ることが出来るように、地上ではカメラ付きの訓練装置でトイレを使う感覚を訓練するそうです。
これらの訓練を終了した後、最長6カ月程度の期間ISSに滞在することになります。
また、実際の宇宙飛行では、特殊な環境下(微小重力、宇宙放射線、浮遊物体の衝突リスク等)に滞在することとなります。
宇宙飛行士の働く場所
今回JAXAで募集する宇宙飛行士候補者は、宇宙飛行士として認定されると次のような業務を行います。
搭乗業務
・ 有人輸送機(ロシア宇宙船ソユーズなど)への搭乗と最長6ヶ月間程度のISSへの搭乗
・ ISS及び「きぼう」本体の操作・保全
・ ISS及び「きぼう」を利用した様々な実験・研究
・ ISS及び「きぼう」のロボットアームを用いた実験操作や試料の交換、ISS及び「きぼう」の修理
・ ISS及び「きぼう」船外で宇宙服を着た組立や保全作業
宇宙飛行士候補者として選抜されても、訓練結果の評価やISS計画の変更等により、宇宙飛行できない場合があるようです。
その他の業務
上記の訓練や搭乗業務以外に、宇宙の微小重力環境を利用した専門的研究活動、搭載実験装置の開発等、
様々な研究/開発業務や、地上では宇宙開発に関わる普及啓発活動にも従事することとなります。
普及啓発活動は講演会や取材などで宇宙での出来事などを伝え、宇宙開発の意義や宇宙飛行士の役割について世間の理解を深めるためのもので、宇宙飛行士の大切な役割となっています。
「きぼう」とは
訓練業務や搭乗業務に出てきた「きぼう」という名前は聞いたことあるけど詳しく知らないという方が多いのではないでしょうか?
きぼうはISSにある日本初の有人実験施設です。
当初は「日本実験棟(JEM:Japanese Experiment Module)」と称していましたが、1999年4月に公募により「きぼう:KIBO」という愛称がつけられました。
「きぼう」は、以下の要素から成り立っています。
船内実験室
「きぼう」の中心となる実験スペースで、1気圧、常温の空気で満たされており、宇宙飛行士が「きぼう」全体の制御や実験を行うことが出来ます。
主に微小重力環境を利用した実験を行うそうです。
船内保管室
実験装置や試料、消耗品などを保管する倉庫の役割をもつスペースです。船内実験室と同じ1気圧、常温の空気で満たされており、宇宙飛行士が船内実験室と行き来できるようです。
船外実験プラットフォーム
ISS外部で、高真空、微小重力である宇宙の曝露環境を利用した実験、観測などを行うためのスペースです。
室内ではなく、宇宙環境をそのまま実験に使用できるのは、ISSでも船外実験プラットフォームとトラスだけなのだとか。
船外実験プラットフォームには12か所の実験装置取り付け箇所があり、船外実験装置などの交換は、主に船内実験室から宇宙飛行士がロボットアームを操作して実施することができます。
軌道上交換ユニット(ORU)、船外実験プラットフォーム結合機構(EFBM)、船外実験プラットフォーム視覚装置、船外実験プラットフォーム装置交換機構(EEU)などで構成されているそうです。
船外パレット
実験装置や試料などをスペース・シャトルでISSへ運び、材料などを積んで再び戻る、輸送手段としての機能も持つとともに、船外実験プラットフォームの先端に取り付き、船外実験プラットフォームで使用する船外実験装置や試料などを保管する機能(実験装置は3個保管可能)を併せもつそうです。
装置交換機構(PIU)、船外実験装置取付け機構(PAM)などにより構成されます。
ロボットアーム
船外実験プラットフォームでの実験で、船外パレット上の機器の交換、メンテナンス作業などを船外活動の代わりに実施するための「腕」となる部分で、「親アーム」とその先端に取り付けられる「子アーム」で構成されています。それぞれ6個の関節をもち、宇宙飛行士が船内実験室のロボットアーム操作卓を使って操作を行います。本体の「親アーム」は船外実験装置の交換など、先端の「子アーム」は細かい作業を行うときに使用します。親アームに取り付けられたテレビカメラにより、船内実験室内から作業の様子を確認することができるそうです。
衛星間通信システム(ICS : Inter-orbit Communication System)
日本独自で地上との双方向通信を行うシステムです。
JAXAのデータ中継技術衛星を介して「きぼう」の実験データや画像や音声などを地上に伝送し、また地上からのコマンドや音声データなどを受信します。
衛星間通信システムは、船内実験室に搭載され管理制御やデータ処理を行う与圧系サブシステム(ICS-PM)と、船外実験プラットフォームに取り付けられデータ中継衛星と通信するアンテナなどからなる曝露系サブシステム(ICS-EF)から構成されています。
衛星間通信システムは、「きぼう」の運用を効率的に行うため、データ中継技術衛星「こだま」(DRTS)を経由して、筑波宇宙センターとの間でデータ、画像、音声などの双方向通信を行うためのシステムです。
まとめ
皆さんいかがでしたでしょうか?
やはりアメリカ、ロシアの宇宙飛行士になった方の数は圧倒的ですね!
宇宙飛行士という職業を調べてみて、厳しい訓練や覚えることがたくさんで諦めてしまう人が多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人でした。
子供のころのあこがれを実現するって意外と難しいですよね。
日本人宇宙飛行士の人数が今は少ないとは思いますが、これから宇宙を目指す若者も増えていくと思います。
どんな方が宇宙飛行士として選ばれるのか今から楽しみです!
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
【掲載元の記事】JAXA | 宇宙飛行士募集に関する発表について
【参考文献】
これまでに宇宙に行った人は何人いるのですか:よくある質問 – 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター