みなさんこんにちは!
宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!
前回はSPACE COTAN株式会社CEOの小田切氏に事業内容やこれからの想いについてお聞かせいただきましたが、今回はCOOの大出氏が実は内閣府主催の宇宙を活用したアイデアコンテストのS-Boosterの受賞者だったという事を聞きつけて、取材を申し込みました。
小田切CEOの記事をまだ読んでいない方はぜひ併せて呼んでください!
大出氏の受賞した『未来コンセプト賞』のプレゼン映像はこちらです!
(YouTube:S-Booster)
これまでS-Boosterについては宇宙ビジネスMEDIAで取り上げていなかったので、過去の動画も含めて視聴し、大出氏に対談形式での取材の中で色んな事を聞いてきました!
フランクにお話し頂けたので、いけだも楽しく対談することができました!
対談スタート!
(いけだ)
大出さん!お忙しい中お時間いただきありがとうございます!
今日は対談形式でザックバランにお話聞かせて頂きますので、よろしくお願いします!
(大出さん)
こちらこそよろしくお願いします!
(いけだ)
早速ですが、YouTubeでS-Booster2018の最終選抜会見させてもらいましたが、当時はどんなお仕事をしていたんですか?
(大出さん)
元々の色んな経緯からお話しさせて頂きますね!
私は明治大学の大学院まで建築学科での耐震分野の研究を行っていて、大学院を主席で卒業し、そのまま大林組というゼネコンに就職しました。
1年目は研究者も全員、現場を知るために東京にあるバスタ新宿という駅とバスターミナルの複合施設で現場監督をしていましたね。
(いけだ)
今さらっと話していましたが、大学院を主席で卒業って凄いですね!
しかもバスタ新宿の現場監督って、私も何度も行ったことありますよ!
(大出さん)
いえいえ!
1年目はJR山手線の終電から始発の間の夜間作業ばかりで、夜勤の建築現場を回す仕事をしていました。
2年目からは本来のポジションとしての技術者として研究所の勤務になり、耐震分野の研究を行い、熊本城の復興の時に使われる『ブレーキダンパー』という商品名なのですが、それの研究を行っていました。
そんな最中、S-Boosterのスポンサーに大林組がなっていて、会社の廊下で偉い方と偶然すれ違ったタイミングで、『大出くんは柔軟なアイデアを出すことが多いから宇宙で何か提案してみてよ!』と言われて、S-Boosterに出してみることになったんです。
それが応募締め切りの前日だったので、偉い人に言われたので夜急いで考えて出したのが本当の経緯ですね!笑
(いけだ)
えぇ〜!!
そうだったんですね!笑
前日に言われて、専門分野じゃない宇宙のアイデアコンテストに出すって凄いですよね。
今のお話を聞くと、大出さんって結構異色だな〜って思いました。
S-Boosterの最終選考まで残っている人って、「宇宙目指すぞ!」って人が多いいと思うんですよ。
(大出さん)
確かにそうかもしれませんね。
元々宇宙と関連していない分野で、突然アイデアと言われて、色々と考えてみた中で、一番斬新だろうと思ったものを提案しました!
(いけだ)
S-Boosterの最終選考会は見たのですが、あの内容と比べて最初に提案したアイデアの完成度は何%くらいだったんですか?
(大出さん)
そうですね〜、、、、5%くらいですかね!笑
一晩で考えたようなアイデアだったし、宇宙のことについてもそこまでは知らなかったので、コンセプトの部分だけだったんです。
提案したコンセプトとしては、”人の周りを回ってCTスキャンできるなら、地球の周りを回っている人工衛星で地球をCTスキャンできるだろう”という事が根幹にあって、まずはそれだけで提案しました。
どんどん選考を通過していったので、いろいろな技術を調査し論文を読んだり、色んなところにヒアリングして技術的な裏付けをして、最終選考までにあの内容まで持っていけました!
(いけだ)
そうだったんですね!
最初からあのレベルのクオリティのアイデアを出していたとしたら手が届く内容じゃないなって思いますが、時間をかけてアイデアを形にしていったんですね!
(大出さん)
いやいや!!
最初は本当に一晩でやれる範囲の内容でしたね!笑
(いけだ)
S-Boosterって最終選考までにどれくらいの選考があるんですか?
(大出さん)
まずは書類選考があって、その次に審査員の前での発表選考があって、最後にファイナリストに選ばれて、最終選考の発表に選ばれたはずですね。
なので、2次選考があってその次が最終ですね!
(いけだ)
見ていて率直に「凄いなー!」って思いましたよ!
最終選考会で発表すること自体が凄いのに、未来コンセプト賞を受賞してるじゃないですか!
しかも2018年の回には、JAXA Startup認定の天地人さんや、宇宙ロボットのGITAIさんもいましたもんね!
(大出さん)
あの年だけなのですが、S-Boosterが2部門に分かれていて、私が応募していたのが『未来コンセプト部門』で、10年先には実現できそうなアイデアの部門で、ファイナリストに残っていたのが、ISSに置く作業用ロボットのGITAIさんとオーロラをターゲットにしたJALの方、大学の先生で地震予知システムの方の4人での戦いでした。
運に恵まれたのか審査員の方々に評価してもらえて受賞できました!
(いけだ)
力のあるスタートアップの企業がいる中で受賞しているのは本当に凄い事ですよ!
大出さんが出したアイデアはどこかがビジネス化していく流れはあるんですか?
(大出さん)
S-Boosterのあとは、大学との共同研究をして、ミュオグラフィ(宇宙から降り注ぐ宇宙線の一種で透過力の強いミュー粒子の飛跡を元に透過した物体の密度分布を再構成する)という技術を実際にどうやって活用するのかなどのフィジビリティ・スダディを行いました。
ただ、現在の技術レベルでは、コストと探査できる内容とが釣り合わず、実際の事業としてやっていくのは難しいということで、プロジェクトを一旦ストップしています。
(いけだ)
まぁ〜そうですよね。
元々のコンセプトが『10年後に実現させる』って内容でまだまだ先ですもんね!
(大出さん)
そうですね!
10年後にはもっともっと良くなっていく技術ですし、量産化されれば一気にコストダウンできる技術なので、そういう面では可能性があるのですが、実業としてやるには10年後にならないと厳しいというものを今スタートさせても難しいという判断もありましたね。
(いけだ)
「よくここまで考えられるなぁ」って感じましたが、主席で卒業されている方はこうなんだろうなとお話聞いて納得しました!
(大出さん)
いやいや(苦笑)
日本宇宙フォーラムの浅田さんからも今回のアイデアコンテストで「大出君のアイデアが今まで自分では思いもつかないようなものだった!見ていて驚いた!」と言ってもらえて嬉しかったです!
「他のアイデアはもうすでにやっている会社もあるし笑」って言っていました!笑笑
(いけだ)
あはは笑笑
でも、そうなっちゃう気持ちは分かりますね〜!
私も去年、名古屋大学の短期講習に参加したときに『超小型人工衛星の活用方法』というテーマでグループワークしてアイデア出ししてプレゼンしたのですが、結構似たようなアイデアが出てきちゃうんですよね〜。
しかも、参考にと教授が過去のアイデアの紹介をしてくれるのですが、
自分たちが考えていたものが既に出されていたりで(汗)
自分たちが持っている知識によって、アイデアが偏ってしまうので、一視聴者としてS-Booster2018の大出さんのプレゼンを見て『これは専門的な基礎知識がないと思いつきもしないなー』と思い、審査員の方に評価してもらった『思いもつかなかった』という部分に凄く同感ですね。
(大出さん)
ありがとうございます!
もしかしたら、それまで宇宙に関わってこなかったので、固定概念みたいなものが、いい意味で無かったのが良かったのかもしれませんね!
(YouTube:JAXA)
(いけだ)
そういう人がどんどん参入してくれた方がアイデアの幅が広がるって色んな方がおっしゃっていましたね!
(大出さん)
そういう意味では、内閣府がやっているS-Boosterの思惑にハマっちゃているのかもしれませんね!笑笑
実際に、他産業からこうやって宇宙業界に参入している訳ですからね!
(いけだ)
今年の4月にSPACE COTANが設立されて、それまで大林組で勤めていたとは思うのですが、何がきっかけでSPACE COTANの設立に携わったんですか?
(大出さん)
S-Boosterがきっかけで大林組の中でも宇宙分野の研究もやっていくようにと言われ、その中でS-Booster2018で最優秀賞をとった『海洋掘削リグを利用した小型ロケットの海上打ち上げ事業』の森さんと大林組とで共同研究を行うことになったんです。
というのも、森さんはS-Boosterで大林組賞も受賞しているんですよ!
当時のファイナリストの中で20代だったのが私と森さんだけだったのもあって、仲も良くなれたので、大林組の担当者は私が引き受けて一緒にやっていました。
これがきっかけで、ロケットの打ち上げに携わるようになって、千葉工業大学の和田先生と一緒に海からロケットを打ち上げたり、山口県では空中からロケットを打つプロジェクトに携わりました。
そして、2019年の夏に学生が共同でロケットを打ち上げる能代宇宙イベントでインターステラテクノロジズ社と出会い、”一緒に何かできるんじゃないか”と話が弾んで、大林組としてはインターステラテクノロジズ社のロケット打ち上げ時に音響計測をして色んなロケットの発射に関するデータを取得する研究を一緒にやっていくことになりました。
陸、海、空からの打ち上げに携わった世界でも稀な人間なんじゃないかと個人的に思っています!笑笑
そんな中、2020年9月頃にインターステラテクノロジズ社から電話があり「ロケットの射場の運営をする会社を設立する必要が出てきたので、そこの共同設立者になってもらいたい」と言われました。
ちょうど東京に35年ローンでマンションを買ったばかりだし、妻も妊娠3ヶ月頃のタイミングだったので、悩んでしまったのですが、誰にでもできる訳ではない経験のチャンスだと思ったので、大林組に辞表を提出しチャレンジすることに決めました!
(いけだ)
凄いタイミングでのオファーだったんですね!笑
正直、よく奥様から許可が出たなーって思いますよ!
大林組というこれまでの経験を活かした仕事から、これからの分野ではあるけど未知の宇宙産業に入る訳ですからね。
奥様も凄いと思います!
今はもう大樹町に引っ越されているんですか?
(大出さん)
住民票は大樹町に移しているのですが、3拠点生活になっていますね。
ロケットの打ち上げ関連の準備や帯広への営業もあるので大樹町が中心で、今も大樹町の自宅からリモートで取材に参加させてもらっています。
あとは、“ALL北海道の取り組み”として、札幌に拠点を置く北海道を代表する企業とも密にやり取りをさせてもらっているので、札幌にいることも多いですし、”ALL日本の取り組み”として東京に拠点を置く企業に営業したり、ロケットの発射場は内閣府の宇宙活動法にある『適合認定』を取得しなければいけないので、政府とのやり取りもあるので、東京の35年ローンのマンションにも住んでいます!笑
(いけだ)
3拠点もあると大変そうですね(汗)
(大出さん)
そうですね笑笑
いつもどこにいるか分からないような状態です!笑
タイミングを見て2週間くらいずつバランスよく営業しているイメージですね。
(いけだ)
大出さんの担当業務ってどんなことがメインなんですか?
(大出さん)
私はCOOなので、何でもやるポジションなのですが、現状のメインとしては射場整備の原資となる“企業版ふるさと納税”の営業活動ですね。
企業に対して、今の取り組みについて説明して『ぜひ、未来のために意思のある納税をしていただけないでしょうか』と話して回っています。
それと同時進行で、世界中のロケット会社に北海道スペースポートを使ってもらえるように営業をしたり、北海道宇宙サミットなどのイベントや広報、ホームページ作成のディレクションをしたりなど幅広く活動しています。
(SPACE COTAN)
(いけだ)
本当に幅広いですね!
想像していたよりも何でもやるポジションなんですね!
(大出さん)
そうですね!笑
実は、大林組にいる間に一級建築士や、耐震分野での博士号を取得しているので、建築出身のバックグラウンドを活かして、今後は発射場の設計の部分のディレクションも進めていければと思っています。
(いけだ)
凄いですね!
一級建築士や耐震分野での博士号を取っていて、異業種の宇宙業界に飛び込むのもそうですが、それを許された奥様も本当に凄いと思いますよ!笑笑
(大出さん)
結構論文も書いていましたし、賞もたくさんもらっていたので、研究者としてそのままやっていた方がもしかしたら偉くなっていたかもしれないですけどね!笑笑
(いけだ)
それが当たり前のキャリアアップではありますよね!
(大出さん)
大学の先生からも「大出くんを日本を代表する研究者にする為に博士号をあげたのに、ビジネスの方に行ってしまって残念だ」と言われました!汗
でも、やっぱり研究者にとって一番重要な”好奇心旺盛”なところが非常に強くて、何にでもチャレンジしてみたいという気持ちがあり、その好奇心が度を超えていくと地球上に収まらずに宇宙にいってしまうんだろうなと何となく感じています!
(いけだ)
研究者の方って、喋りが偏っている方が多いイメージだったんですが、大出さんとお話させてもらっていると、研究者の方じゃない感覚になるんですよね!
研究者の方とお話しさせて頂くと、どうしても聞き慣れない単語や、尖った内容を掘り下げて話して頂くのですが、理解が追い付かないことが多くあるんですよ。汗
その点、大出さんにはそういった感じはなく、むしろ広報や文系のイメージがあるくらいですよ!
(大出さん)
確かに偏っている方が多いですよね!笑
初見で聞く普通の人に分かりやすく伝えることが一番重要だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです!
(いけだ)
そういう感覚持っている研究者の方って少ないですよね。
(大出さん)
多分、私が飲み会好きでおしゃべりが大好きだからかもしれませんね!笑笑
(いけだ)
そうだったんですね!笑
じゃあ、いつか飲みに行けるのを楽しみにしていますね!
今、SPACE COTANメンバーはホームページに載っている方々だけなんですか?
(大出さん)
ぜひ飲みにいきましょう!
コアメンバーとしては私含めて、ホームページに載っている4人だけですが、それ以外にも大樹町の方々がいろいろな部分で手伝ってくれていたり、大樹町の準備会社である北海道宇宙企画(HAP)のメンバーや、インターンシップで手伝ってくれている学生や、プロボノとして活動してくれている社会人の方たちを含めると約10人です。
(いけだ)
そうなんですね!
以前から大樹町には何度も行っていますし、大樹町役場へのインタビューも行っているので、御社設立の話は聞いていて、YouTubeの記者会見を見て『
この会社なんだ!』と思ってすぐに取材の申し込みをしようと思ったのですが、設立してすぐだと忙しすぎて相手にされないかと思い、少し時間を空けて待っていたんですよ!
なので、前回の小田切さんへの取材もそうですが、こうやってお話しさせてもらえて嬉しいです!
(大出さん)
こちらこそ、取材してくれて嬉しいです!
我々も認知獲得していかなければいけないので、取材してもらえると助かります!
(いけだ)
これからSPACE COTANがどんどん活躍していけば、ロケットの打ち上げの機会も増えて、見に行けるチャンスも増えるので、ぜひ応援させて欲しいです!
私も打ち上げ見に行きたいので!笑
(大出さん)
新型コロナウイルスがおさまったら沢山の人に打ち上げを見てもらいたいと思っています!
(いけだ)
以前に大樹町にインタビューをしたときは、1,000mの滑走路を旅客機が離発着に必要な3,000mに延伸するためにふるさと納税を活用していると聞いていたのですが、集まっている金額が少なかったように感じていましたが、前回の小田切さんのインタビューで約1億円が集まっていると聞いて「凄い伸びだな!」と思いました!!
(SPACE COTAN)
(大出さん)
そうですね。
今インターステラテクノロジズ社が使っている射場をLC-0と名付けて、今後はLC-1、LC-2の総工費が約50億円なので、その半分の約25億円をふるさと納税で集めていこうとしています。
この数ヶ月でもとてもいいペースで集まっていますね!
3,000mの滑走路については、2019年までの調査資料でも滑走路の整備だけでも300億円近くかかってしまうようで、企業版ふるさと納税でできるレベルではなく国とも連携できるよう、大樹町としてこれからの需要や継続的な活動を提案していると聞いています。
(いけだ)
射場も含めてですが、実際の建設にはかなりの費用がかかりますよね。
少しでもお力になれるようにこれからも密着させてくださいね!
(大出さん)
はい!ありがとうございます!
今、我々も認知獲得の為に、を池田さんに取材をして頂き、今回のようなフランクな記事を掲載して頂けるような連携が取れたら我々も非常に有難いと感じています!
(いけだ)
ぜひお願いします!
大出さんのプロジェクトにかける“想い”を聞かせてください!
(大出さん)
今4ヶ月の息子がいるのですが、自分の子供も含めた次の世代に“日本が勝っていく姿を見せて、勝っていっている日本を次の世代に渡したい”という想いが強くあります。
自分がどれくらい稼げるかよりも、“次の世代に何が残せるか”や“私に関わってくれた人にどれだけ貢献できるか”ということが一番想いが強い部分です。
私は1991年に産まれて、バブルが弾けたちょっと後の世代なので、私が生きてきたこの30年は日本がちょっと暗くなってきていた時代で、その中で私自身は何も出来ない学生だった時間が長かったですし、時間が経てば経つほど少子高齢化が深刻化し、GDPも他の国にどんどん負けていっている時代を過ごしてきたので、自分の子供の世代には全然違う世界を、違う日本を、『この国に産まれてよかったな』と思えるような日本を残していきたいという強い思いでこのプロジェクトに取り組んでします。
ぜひ、多くのみなさんにも次の世代に残せるプロジェクトと捉えていただき、可能な範囲内で応援頂けると嬉しいです!
個人でもふるさと納税で応援できます。
仕組みとしては実質ほとんどコストがかからないですが、我々にとってはとても大きな応援になりますので、少しずつでも応援頂ければと思っています。
また、今後クラウドファンディングも実施予定ですので、そちらでもご協力頂ければ幸いです。
(いけだ)
凄〜〜〜く素敵な想いが伝わってきました!
確かに日本の宇宙産業は世界から比べると出遅れていますが、ずっと遅れっぱなしではなく、これから世界に肩を並べて、宇宙産業を牽引していく日本になればかっこいいですもんね!
「僕のお父さんが作ったロケット」とか、「おじいちゃんが建てた発射場」みたいに、次の世代に渡せるものとして、大樹町の射場が世界に誇れる射場になっていけば、次の世代にしっかりと受け継がれていきますもんね!!
(大出さん)
日本の宇宙産業で遅れてしまっている根本的な理由の一つとして、ロケットの打ち上げ数が圧倒的に少ないことが挙げられます。
アメリカや中国などは年間に30〜40機のロケットを打ち上げているのに対し、日本では2〜4機ぐらいしか打ち上げられていません。
そういった部分から改善していかないと、日本でどんなに素晴らしい人工衛星の会社ができても、日本から打ち上げられないと世界から遅れてしまうので、そこを地面から変えていくのが我々の使命ですね。
(いけだ)
そうですよね。
インターステラテクノロジズ社のロケットが更に発展して、どんどん人工衛星が打ち上げられて、SPACE COTANの射場が整備されて、他の事業者がどんどん利用してくれれば、私の取材も大樹町に行くだけでほとんど完結するようになるので、一石五鳥くらいになりますよ!笑笑
今の打ち上げに関しては本当にもったいないですよね。
日本で人工衛星を作って、海外に輸送して、打ち上げまでの間保管して、打ち上げるまでにもその都度コストが嵩みますしね。
本当は日本から打ち上げたいってきっと思っていますよね。
(大出さん)
そうだと思っています。
その先で、この大樹町、十勝帯広地域に宇宙版シリコンバレーを作り、世界中の宇宙開発の拠点の一つになれば、日本が宇宙産業で勝っていく基盤も作れます。
既存の農業や漁業、観光資源も人が増えれば活性化していくので、既存の産業とも融合した産業集積が出来ればと期待しています!
(いけだ)
私も期待しています!
大出さんは大樹町に住んで2ヶ月くらいですよね?
住んでみた感想はいかがですか?
(大出さん)
これまで東京以外に住んだことなかったのですが、涼しくてびっくりしています!笑笑
東京が暑かったので、スーツ以外の長袖を持ってこなかったんですが、寒くて最初は困りました。汗
(いけだ)
あはは笑
分かりますよ!
私も5月に大樹町に行きましたが、カバンに薄手のダウンを忍ばせて帯広空港に着いた時点で着込みましたもん!
(大出さん)
あとは、初めてマイカーを買いました!
北海道特有の部分では、冬になると『水抜き』って作業をしないと水道管が破裂するらしく、今からドキドキしています!笑
(いけだ)
水抜きは北海道に初めて住む人なら必ず訪れる試練ですからね〜!
次は真冬くらいにインタビューしてみたいですね!
『大樹町の冬を体験してみていかがですか?』って!笑
(大出さん)
ぜひ!笑
多分冬頃には、インターステラテクノロジズ社の打ち上げが何回か終わって、北海道宇宙サミットも終わり、企業版ふるさと納税の金額も大々的に発表できる金額になっていると思いますので、北海道の冬の話も含めてそういった話ができるのを楽しみにしています♪
(いけだ)
私も楽しみにしています!
今日は真面目な話から大出さんのプライベートの話まで聞かせて頂いてありがとうございます!
冬のインタビューも楽しみにしていますからね!
あとがき
SPACE COTANのCOOの大出さんと対談させてもらって、感じたことは人柄の良さと、想いの熱さでした。
対談が決まってからあえて大出さんのことは調べずに、S-Booster2018の動画見るだけにしてあれやこれや質問させてもらおうと思って聞きまくっていたら大ボリュームになってしましましたが、極力カットせずに全部お伝えしたかったので許してください!!!
建築学部の大学院を主席で卒業し、大手企業に研究者として就職し、博士号も取得していた大出さんが、S-Boosterをきっかけに宇宙に携わり、3年後には日本を代表する民間発射場の運営会社の共同設立者としてライフスタイルも業種もガラリと変わってスタートを切っています。
もちろん、大出さんの経験や知識、学力など作用しているとは思いますが、社会人が異業種から宇宙産業に挑戦することは可能です!
ただ、学力はいきなり向上するものでもないですし、これまでの学歴を塗り替えることも難しいと思うので、せめて大出さんに負けないくらいの熱い想いは持った上で、宇宙業界を目指せばきっとチャンスはゼロでは無いと思っています。
大出さんとの対談は終始楽しくお聞かせいただけたので、これからも定期的に取材を申し込んでいきたいと思いますので、SPACE COTANの記事と、大出さん個人の記事と掲載していきますので、みなさんお楽しみに!
大出さんもTwitterで情報発信しているそうなので、気になる方はチェックです!
大出 大輔:@DaisukeOde
大出さんがCOOを務めるSPACE COTANの情報はこちらから!
Hokkaido Spaceport:@hospojapan
新型コロナウイルスが収束すれば、ロケットの打ち上げの見学も再開されますし、2023年度には新しい射場のLC-1が完成予定となっているので、今後注目ですよ!!!