みなさんこんばんは☆
宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!
今回はタイトルがシンプルなのですが、『THINK SPACE LIFE』というキーワードに馴染みがない方もいると思いますので、まずは『THINK SPACE LIFE』の説明をしますね!
宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation )は、事業意思のある民間事業者等とJAXAの間でパートナーシップを結び、共同で新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す新しい研究開発プログラムです。
異分野の人材、技術、資金などを糾合するオープンイノベーションに係る取り組みにより、ベンチャーから大企業まで様々な新しい民間事業者等と共に、宇宙分野に閉じることのない技術革新、イノベーション創出を目指します。
(J-SPARC公式ページより抜粋)
このJ-SPARCの宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くするプラットフォームが『THINK SPACE LIFE』です。
宇宙空間での活動をより良くすることで、地上で暮らす我々が実際に活用できるものが出来上がっていくわけなんです。
そんなTHINK SPACE LIFEでの活動が地上実装(一般向け商品の発売)を記念してのトークイベントと商品お披露目会に参加してきました!
今回は2社から1商品ずつのお披露目だったのですが、もちろんどちらの会社も宇宙企業ではないです!
それが国際宇宙ステーション(ISS)の搭載品になり、地球上での販売となっているので、これまでの取り組みには凄い努力を感じ、それが実って宇宙を想定した商品が実際に我々の身近にあることも凄いことです!
商品ごとに紹介していきますね!
TSUYOMI株式会社 『Chupica』
まずはTSUYOMI株式会社の取り組み発表からスタートです。
愛知県にあるオーラルケア製品の開発から販売までを行う企業で、『Space Life Story Book』にまとめられている宇宙飛行士のニーズを解決していこうと今回のTHINK SPACE LIFEの活動に参加されたそうです。
ISS(国際宇宙ステーション)で生活する宇宙飛行士からのニーズ(体験課題)は様々ですが、その中での水が限られる、地球(自然)との隔離、単調な生活の課題に着目し、「TSUYOMIのオーラルケアで解決できるのでは?」と開発をスタートしました。
2020年12月にISS搭載候補品に選出され、2022年10月には若田光一宇宙飛行士の生活用品としてISSでの実証を行い、2023年8月には古川聡宇宙飛行士の生活用品としてISS実証を行いました。
地上実証では2023年12月に山崎直子宇宙飛行士によって行われました。
ISSでの実証を終えた2024年には地上販売に向けた改善と開発が行われていて、錠剤、タグライン、パッケージの評価を繰り返し行い完成したのが、今回の『Chupica』です!
マウスウォッシュタブレットで、ひと粒を噛み砕いて泡を口内に馴染ませるだけで水を使わなくて済みます!
水が貴重なのは宇宙空間だけではないので、地上で暮らす私たちの様々なシーンでの活用ができそうですよね。
宇宙空間での課題を解決するために生まれた製品が、宇宙での実証成功という大きな社会的認知力を得て地上での販売が開始されています。
これまで宇宙という特別な空間で自分には関係ないと思っていた方でもTSUYOMIのように宇宙ビジネスに参加することで、地上で事業活動に大きなインパクトを与えることも可能です。
『宇宙空間での生活』に目を向ければそこにいるのは『人間』です。
地上にいるのと変わらないものが必要になるということは、どんなモノでも宇宙ビジネスに関わるチャンスがあるということです!
Chupicaは気軽な普段使いにも活用できますし、海外旅行などの長旅時に重宝されると感じました。
株式会社Le Furo 『湯るまる』
最後は株式会社Le Furoの取り組み発表でした。
温泉の資源化と風呂文化の世界化を目的に創業され、『クラフト温泉』が開発されました。
クラフト温泉とは、天然温泉に温泉鉱石を”ドリップ”することで、天然温泉を増強する特許技術で、温泉のエスプレッソと呼んでいます。と説明がある通り、濃い〜温泉です。
あえて別の表現をするなら温泉の原液とかですかね。
温泉市場の開拓を進める中で、THINK SPACE LIFEと出会い取組が始まりました。
宇宙飛行士は半年間のISS滞在で様々なミッションを行いますが、お風呂につかることはできません。
もちろん温泉に入ることなんて不可能です。
でも、疲れをとってリフレッシュすることはミッションを行う上でも重要なことです。
『湯るまる』はクラフト温泉を配合した「温泉を持ち運ぶ」新発想の温感ボディシート。
いつでもどこでも、拭いてさっぱり、後からじんわり温まり、温泉効果を得られるボディシートです。
宇宙での極限環境の中で、温泉に入った時の「ふぅ〜っ」が味わえるのは至福でしょうね♪
温泉を持ち運べるなら既存のリフレッシュシートとは違った活用タイミングが増えそうですね。
池田は先日、アメリカへの出張の際に飛行機の中で「湯るまる」を使いたかったです!!
日本人にとって温泉はとても身近で大切にされてきているモノです。
だからこそ、宇宙のワークショップやコミュニティで『宇宙×温泉』の話題は度々でますが、実際に温泉に入浴する議論がほとんどです。
湯るまるは温泉の温泉の資源化と温泉文化の世界化を目指す中で生まれた商品だからこそ、違ったアプローチで『宇宙×温泉』を実現させました。
宇宙に滞在する上では、日本人宇宙飛行士からはリクエストされるでしょうね!
地上で生活する私たちも仕事の気分転換や、長時間の移動時、気軽に温泉に入りに行けない方や介護施設など活躍するシーンはたくさん想像ができちゃいますね!
あとがき
今回はTHINK SPACE LIFEの取り組みで、地上での活動メインの宇宙専門の企業では無い一般企業が宇宙に自分たちの商品を届けて、それが地上で広まっていくことで様々な企業に門が開かれていることが分かるいい例になったと思います。
宇宙に携わるためには、必ずしも航空宇宙を学ばなければならないという訳ではありませんし、宇宙が大好きである必要はありません。
宇宙はあくまでも活動範囲で、ビジネスフィールドとして捉えれば可能性が無限に広がっていて、ライバルが少ない環境とも捉えられます。
『もし、自分が宇宙に行ったらどんなことがしたいか』と考えてみると、意外にいまだに実現できないことが結構あるんです。
それらはおそらく需要のあることになるので、ひらめきと努力で宇宙産業に切り込むことは可能なので、興味のある方はぜひ挑戦してほしいです!