みなさんこんばんは⭐️

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です。

12月15日(木)に開催されたS-Booster2022の最終選抜会に会場参加をしましたので、会場の体験レポートをお届けします。

S-Boosterとはなんぞや??という方は、事前記事に詳細を掲載していますので、ご確認ください。

12月15日(木)14時から!S-Booster2022最終選抜会開催!

2017年から開催して今回で5回目となるS-Booster。

今回は日本から7チーム、アジア・オセアニアから4チームの合計11チームが最終選抜会に臨みました。

それぞれのプレゼンの持ち時間は5分間。

その後、審査員からの質問タイムが5分間。

どのチームもこの日のために、ビジネスアイデアをブラッシュアップし、プレゼンも研ぎ澄ましてきたので、完成度の高い最終選抜会となりました。

後日、アーカイブ動画も公式ホームページにアップされるので、ぜひそちらも見て欲しいですが、会場の空気感とそれぞれのプレゼンでの感想、そして見所をプレゼン順にお届けしていこうと思います。

1,MJOLNIR SPACEWORKS

プレゼンのスタートを切るのは日本のMJOLNIR SPACEWORKSというチームで、CAMUI型ハイブリットロケットの大量生産と、無溶接タンクが保有技術の特徴です。

現在、主流の液体ロケットは加工品質の高さから年間数十基が限度となっており、その分の価格が高くなっているので、ハイブリットロケットにすることで大量生産を実現し、もっと多くのロケットの打ち上げを目指します。

また、これまでの燃料タンクは半年から1年程度の納期を必要としていましたが、特許を取得している無溶接タンクであれば即納が可能となるレベルまで短縮できるので、これまでのロケット開発を飛躍的に進めることが可能となります。

ロケットのエンジンが自動車のように大量生産されれば、宇宙輸送業への参入ハードルがかなり下がっていくので、ビジネスとしての注目度はこれから高くなると思います。

2,NERFS

マレーシアから参加のチームで洪水対策です。

日本でも災害などによる被害が多く出ていますが、東南アジアではより多くの被害が発生することが多く、洪水などによる鉄砲水の予測を立てて、交通規制や避難を促すことで、損害を最小限に抑えることを視野に入れたビジネスモデルです。

世界的に見て、このシステムが確立すれば適用できる国や地域が増えるので、収益モデルとしても世界規模となるので注目なので、経済損失を最小限に抑えられる点が注目を集めました。

3,LEET Carbon

タイから参加のLEET Carbonは低炭素社会のためのデータドリブンな解決策と自然ベースな炭素の固定吸収を提供します。

DaaSやMaaSから時空間データを利用した場合の効果的な自然ベースの解決策の策定、CMPで排出削減量を購入した場合のNetゼロ排出コミットメントの達成、自然ベースの炭素削減による炭素クレジットの獲得、NaNを利用して樹木や森林を植栽・保護した場合の気候変動の緩和といった仕様と利点があります。

4,Team BPS

日本のチームですがマレーシアのオイルパーム(アブラヤシ)をターゲットにしたプレゼンで、超小型衛星による多波長による多角的な観測で病害毎のステージ/病害や枯死に直結する土壌水分量を解析し、保有しているスペクトラルライブラリ(BigData)によって早期発見をすることで、被害を最小限に抑えます。

大規模な農園、農地では病害による被害額も年間でとても大きな額になりますし、それが国レベルにもなると途方もない額になるので、先行投資としてこのシステムを活用しても例年の損害額と比べれば安いので、国や組合などレベルで注目を集めそうです。

5,Aumsat Technologies

衛星を利用し、AIを活用した精密水分解析により、地下水資源の探査・予測・予測を行っていくインドからのチームです。

日本にいるとあまり地下水資源の活用のイメージが湧かないこともありますが、世界的に見て水インフラの整備はまだまだ必要です。

今回の仕組みを活用することで、約75%ものコストを抑えることが出来るそうで世界的に注目を集めるのと、これからの月面開発でも期待を集めそうですね。

6,SpaLCe

『えきろく5.0』というタイトルで、奇抜なプレゼンで注目を集めましたが、「液体クロマトグラフィー」の略でえきろくです。

液体の分析、解析を従来機器の本体重量 1/10以下、消耗品重量 1/1000以下で実現できるようにし、宇宙での液体分析を可能とし、汗によるヘルスチェックを提供し、次世代宇宙ステーションでの連携も視野に入れています。

7,株式会社Space quarters

宇宙での溶接技術を活用することで、これまで以上の大型のモジュールを宇宙空間でプレハブのように組み合わせて建築することで、これまでH3ロケットで打ち上げていたモジュール体積の約20倍のモジュール建設を可能とします。

民間の宇宙ステーションや、宇宙での商業施設、月面都市開発など宇宙での建設は必ず発生する分野なので、さまざまな企業から求められる技術になっていくはずです。

8,EDWAR

インドネシアから参加のチームで、海中に設置されたセンサーを搭載したブイ群で構成され、陸上の指令センターと衛星通信で通信するOCEAN EYESというサービス。

どの場所に十分な漁獲量があるかを把握し、脆弱な場所をマーキングすることで乱獲を回避できます。

このシステムで漁業者の安定収入と、海洋資源の安全を確保できるので、これまで以上に漁業が安定することになるので、漁業組合をターゲットとしたビジネスモデルとなります。

9,株式会社Dinow

民間宇宙旅行者や宇宙開発事業者が宇宙へ行く上でのトータルヘルスケアを提供します。

宇宙空間では地上とは比べられない量の放射線に晒されるので、DNAの損傷を検知する技術で健康医学検査を民間企業として提供します。

人材と技術を地上の病院と連携していくことで、民間宇宙旅行者へのサービス提供を行います。

10,株式会社エイシング

エッジAIを提供することで、自己学習をし最適化を行うデバイスを提供していきます。

小さなチップをデバイスに搭載することで、これまでの作業の効率化を学習し、生産性の向上を提供しつつ、人工衛星との通信が必要な自動運転やドローンなどが通信できない場合の自己位置推定機能により安全性を向上させます。

すでに導入している工場での生産性アップの実例も紹介されていました。

11,TSUKIMI(月見)

月や小惑星には水や金属などの資源が存在します。

宇宙開発においては、現地の資源を活用して建設などを行うことを見越しているので、どこにどんな資源が存在しているのかを「Space Treasure Map」として作成し、世界に先駆けて着手していきます。

宇宙での資源はまさしく”宝物”なので、宝地図を作っていくことが目的です。


さまざまなビジネスモデルが発表されました。

地上での身近な災害対策や、漁業から宇宙空間での実験、DNAの損傷検知、資源MAPと宇宙ビジネスといってもメインフィールドはこんなにも広くなります。

各賞の選考中は、スペシャルトークセッションとして「S-Booster受賞後の成長加速について」をテーマに、S-Booster2021 アジア・オセアニア賞を受賞したLetara株式会社 COOの平井 翔大氏と、S-Booster2018 未来コンセプト賞を受賞したSPACE COTAN株式会社 COOの大出 大輔氏が受賞後の今を語っていただきました!

どちらも北海道をメインに活動されていて、Letaraは安全な固形燃料の開発、SPACE COTANは射場の管理・運営を行うので、北海道がロケット打ち上げの拠点として確立されていく日も近いんだと感じました。

どちらも、S-Boosterでの受賞をきっかけに大きく変わったと話されていました。

宇宙ビジネスMEDIAで取材もしている大出氏は受賞当時は大手企業の社員として所属されていて、そこからSPACE COTANを共同創業として、活動されているので、異業種から参入するきっかけにもなるので、宇宙業界を目指している方の希望にもなっているんだと思いました。

結果発表

スポンサー賞が6件で賞金50万円、JAXA賞、NEDO賞は副賞としてそれぞれのハンズオン支援が6ヶ月、アジア・オセアニア賞、審査員特別賞は賞金100万円、最優秀賞は賞金1000万円

各賞の結果はこちらです。(受賞の瞬間はぜひアーカイブをご覧ください)

●京セラ賞         Team BPS

●スカパーJSAT賞       株式会社Space quarters

●ソニーグループ賞      SpaLCe

●Honda R&D賞       株式会社エイシング

●三井物産賞         株式会社Dinow

●RiskTaker賞         MJOLNIR SPACEWORKS

●JAXA賞        Aumsat Technologies

●NEDO賞       SpaLCe

●アジア・オセアニア賞 LEET Carbon

●審査員特別賞     TSUKIMI(月見)

●最優秀賞      MJOLNIR SPACEWORKS

最優秀賞に輝いたのはCAMUI型ハイブリットロケットと無溶接タンクでプレゼントップバッターのMJOLNIR SPACEWORKSでした!

名前を呼ばれた瞬間にチームのメンバーと、トークセッションに来ていた、Letara社の方やSPACE COTAN社の方から歓声が上がりました!

チーム北海道としての結束があるんだろうと思いつつ、これでさらに北海道のスペースポート化が加速するのこ感じました。

近い将来、北海道で燃料、タンク、エンジン、ロケット、人工衛星の製造をして、北海道で打ち上げて、北海道で観測するヴィジョンが広がり、冬の寒さに負けない暑さを感じられました。

あとがき

これまでもオンラインで参加したり、アーカイブで視聴したりしていたS-Booster最終選抜会でしたが、初めて会場で参加してチームの熱量、応援している方々の熱量を感じられて、会場参加の意味が分かった気がします。

もちろん、最優秀賞のMJOLNIR SPACEWORKSの盛り上がりがピークでしたが、アジア・オセアニア賞のLEET Carbonが名前を呼ばれてから終始喜んでいたことが印象的でした。

この、S-Boosterをきっかけにビジネスが加速していくことへの期待感、日本まで来てアジア・オセアニア賞を受賞できた喜びが伝わってきたので、一視聴者として嬉しい気持ちになりました。

たくさんの応募の中から最終選抜会に残れるのはごく僅かですが、ビジネスとして動き出していくことは間違いないと思いますし、自分のアイデア・ビジネスをブラッシュアップして世の中に出してく大きなチャンスになります。

もし、この記事を読んでまだチャレンジしていない方がいれば、来年のS-BooSterに応募してみてはいかがでしょうか。(いけだもこっそり応募してみようかと思っています)

今回は最終選抜会だけの記事でしたが、次はもっと密着取材をしていきたいなと思っていますので、みなさん乞うご期待です!!