みなさんこんばんは☆

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です。

10月14日に月探査で得られた資源や実験データの利用についての国際ルールである『アルテミス合意』の署名式がオンラインで行われました。

アメリカからの呼びかけで、署名式に参加したのは日本、カナダ、イギリス、イタリア、オーストラリア、ルクセンブルク、アラブ首長国連邦の8ヶ国です。

テレビなどの各種メディアで報じられているので、内容は知っている人も多いのではないでしょうか。

簡単にいうと、「月に行って活動した時のお約束事を決めたから守りましょうね!」です。

他のメディアが内容などは取り上げているので、今回は割愛させて頂き、『アルテミス合意』についてと、『アルテミス計画』について池田的に噛み砕いていきたいと思います!

 アルテミス計画について

ニュースで取り上げられた『アルテミス合意』はそもそもこの『アルテミス計画』を進めていく上で、月での活動について、国際ルールを設けることで、一定の抑止力を産むものだと思っています。

“何をやっても自由”ではなく、全世界統一的な宇宙活動をする上でのモラルの形成に近いのだと私は受け取っています。

まずは大元の『アルテミス計画』についての説明を簡単に。

アメリカ政府が出資する「有人宇宙飛行計画」で、NASAが主導して月に人類を着陸させる計画です。

アポロ計画で有名ではありますが、その時に着陸したのが、男性のニール・アームストロング船長です。

今回のアルテミスはギリシャ神話のアポロの双子の女性ということで、人類初の女性の月面着陸が期待されています。

アルテミス計画は大きく分けて、3つのプロジェクトに分けられますが、その他にも押さえておくべきポイントもいくつかあります。

アルテミス計画のミッション

(提供:NASA)

第一弾のアルテミス IはNASAが開発中の大型ロケットのスペース・ローンチ・システム(Space Launch System)と一緒に打ち上げられるロッキード・マーティンが開発中のオリオン宇宙船を地球と月を往復させる無人飛行実験を2021年に行います。

(提供:NASA)

アルテミス IIは翌年2022年にスペース・ローンチ・システムとオリオン宇宙船の有人飛行が行われる予定です。

最後のアルテミス IIIは前の2つのミッションの集大成として2024年に行われる、有人月面着陸です。

ここで、人類初の女性による月面着陸が達成されることになるでしょう。

4年後にはアポロ11号の時のように世界中が注目する瞬間が訪れるでしょう!

アルテミス計画に関連するミッションやシステム

SLS(Space Launch System:スペース・ローンチ・システム)

(提供:NASA)

アルテミス計画で使用されるNASAが開発中の大型ロケットで、特徴的なこととしては、オリオン宇宙船を打ち上げることです。

オリオン宇宙船(Orion Spacecraft)

(提供:NASA)

SLSで打ち上げられる有人宇宙船です。

元々はスペースシャトルの代わりとしてアメリカが開発を行なっていて、船内は4人乗りです。

今の製造開発はアメリカの大手航空宇宙企業のロッキード・マーティンです。

ロッキード・マーティンは1995年にロッキード社とマーティン・マリエッタ社が合併した会社で、マーティン・マリエッタ社はそれ以前から宇宙開発を行なっており、ロケットの開発も行っているので、池田は重鎮なイメージを持っています。

月軌道プラットフォームゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gatewey)

(提供:NASA)

NASAが主導する月軌道上に建設される予定の国際有人宇宙ステーションで完成は2026年の予定です。

惑星、地球、太陽など様々な宇宙研究や実験の他に、深宇宙(地球から200万km以上離れた宇宙)探査や有人火星ミッションなどの中継基地としても利用されるとことで注目を集めています。

SLSでオリオン宇宙船との相乗りで、各モジュールが打ち上げられます。

ゲートウェイの開発、建設には多数の国、宇宙機関、民間企業が関わっていて、今後の宇宙ビジネスにおいても需要なミッションになっていきます。

宇宙服

システムからも少し離れてしまう気もしますが、NASAのホームページで、アルテミス計画の中で宇宙服も取り上げられていたので紹介します。

(提供:NASA)

探査船外ユニット(Exploration Extravehicular Mobility Unit) 通称『xEMU』です。

これが月面での船外活動の時の宇宙服です。

印象としては、「ザ!宇宙服!」ではないでしょうか?

池田は最初の印象としては、「色やデザインがちょっとオシャレになったかな〜」程度でしが、意見が変わったのが動画をみたタイミングでした!

(提供:NASA)

見た目のイメージに反しての動きやすさに驚きました!

腕も回せるし、腰もひねれるし、膝も曲げられます!

グローブも指もしっかりと動かせます!

池田のイメージではアポロ11号の時の宇宙服は関節の可動域が小さく、移動も小さくジャンプするような印象でしたが、今回の宇宙服は動きの制限がかなり少ない印象で、普通に歩いています!

もちろんそのほかの機能もしっかりとしていて、耐熱性のは約-150℃から約+120℃です!

(提供:NASA)

こちらは打ち上げや着陸の時に使われる軽量版の宇宙服で、Orion Crew Savival Suit(オリオン乗務員救命スーツ)と呼ばれています。

xEMUよりは強力ではないですが、 耐熱性能や宇宙放射線の防御などの機能もしっかりと備わっています。

要するにアルテミス計画は・・・

『月面有人着陸計画』です!

ただ、単純に「月に人類が降り立つ」事が目的ではなく、今後の宇宙開発にとって重要なミッションが詰まっている計画だと思ってください。

月に人類が降り立てば、月面の調査が進みます。

調査を進めていく上でも、地球と月を結ぶ宇宙船の発着が増えていくので、月周回軌道にゲートウェイが建設され、月面の調査をする上でも拠点になりますし、経由地や補給場所が確保できれば月面基地を作成することも可能になり、有人基地であれば人が活動するための空間と設備が必要になります。

月面の開発が進めば、一般利用や商業利用に乗り出すので、地球上にあるあらゆるビジネスが月で行われることになるはずです!

さらに、ゲートウェイや月周回軌道を利用することで、火星やさらにその先への有人宇宙探査も可能になっていくので、宇宙での人類の活動領域はどんどん増えていくと思っています。

このアルテミス計画を皮切りに連鎖的に宇宙ビジネスは広がりを見せていくはずなので、いよいよ目が離せなくなってきています。

今回は、テレビのニュースで『アルテミス合意』のオンライン署名式が取り上げられているのを見て、淡白な説明で興味が惹かれなかったので、記事にしてみました。

調べてみたら面白そうな内容が盛り沢山だったので、こういった記事もたまにはいいかもなと思っています!