みなさんこんばんは⭐️
宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です。
今回は、8月に北海道スペースポートでギネス記録に挑戦した特別支援教育に取り組むNPO法人 翔和学園に取材をさせていただきました。
取材当時は、『挑戦が成功した!』直後でしたが、11月9日に正式に認定されたとリリースの発表がありました!
本当におめでとうございます!
実は、関連メディアで翔和学園のギネス記録への挑戦の取り組みを表彰させてもらっていて、そこから交流があり、正式に認定されるのをいけだも心待ちにしていたので、本当に嬉しいですし、世界で一番になるってすごいことですよね!!
ギネスに挑戦して見事認定された翔和学園ってどんな学校?
どんなことでギネスに認定されたの?
そんな人も多いかと思いますのうで、早速本題に入りましょう。
翔和学園とは?どんなギネス記録?
翔和学園(旧称ステップアップアカデミー)は、発達障害を抱えていたり、人間関係やコミュニケーションに不安のある学生など、18歳以上の教育的支援を必要とする若者たちが社会性を学び、集団の中で生きていく力を養い、社会的自立をめざすための学校として1999年4月に設立されました。 設立当初、ステップアップアカデミーの前身であるグローバルアカデミーでは、福祉コースとコンピュータコースを柱に、主に就労から自立に向けた技術支援中心のカリキュラムを実践してきました。 しかし、活動を続けていく中で、ここに来ている学生達にとって必要なことは、就労や自立をめざすために先ず、日常生活場面での基本的な生活力を身につけることであるということを強く認識するに至りました。 そこで、2002年4月、グローバルアカデミーをステップアップアカデミーと改称、本学園は養護学校や職業訓練校、専門性の高いいわゆる専門学校とは一線を画し、「社会性を学び、集団の中で生きる力を身につける」という目的を第一に掲げ、実践する学園として生まれ変わりました。 2004年4月に対象を拡大して高等部を設立、さらに2005年10月には小中学部を開設し、 小中学部から高等部、大学部、そして社会的自立へと一貫した特別支援教育をめざし活動中です。 そして、ステップアップアカデミーは2006年4月より呼称を改め、小中学部、高等部、大学部を総称して「翔和学園」とし、さらなる飛躍を遂げます。 (HPより抜粋)
発達障害やそれに類似する苦手さを持った子供達向けのフリースクールです。
いけだも何度も訪問させていただき、実際に通っている生徒の皆さんや、先生、インターンとして活動している卒業生の方と接していますが、みなさん凄くいきいきとしているのが印象的でした。
もちろん、発達障害やそれに類似する苦手さを持っていることで、乗り越えなければいけないことも多いとは思いますが、学園内の雰囲気は明るく自由で柔軟なスクールでした。
そんな翔和学園の水川先生を中心に、生徒の皆さんで試行錯誤を重ね、2022年8月にスペースポートとしても話題の北海道大樹町のSPACE COTAN社が運営している発射上で挑戦が行われ、3度にわたる打ち上げに挑戦し、最後の最後に打ち上げに成功しました!
これまでのギネス記録は、カナダのトロントで水ロケットの機体の高さが4.04mでしたが翔和学園の皆さんが打ち上げに成功したのはこれまでの記録を大きく塗り替える7.72m!!
そんな大きな水ロケットの到達高度は16.78m!
(翔和学園HPより)
世界最大の水ロケットとしてギネス世界記録に認定されました。
(翔和学園YouTubeチャンネルより)
みんなんで作り上げた水ロケット打ち上げ当日の動画です。
プロジェクトに参加されたみなさんの気持ちが伝わってきて胸を打たれるのでぜひ見て欲しいです!
普通にチャレンジしても世界一になることは難しいのに、翔和学園のみなさんが達成したことが本当に素敵だと思い、このプロジェクトの中心で奔走していた水川先生に色々とお聞きしました。
水川先生インタビュー
宇宙に取り組んだのは実はもう数年前からなんですよね。
学生に「宇宙でどんなことをやってみたい?」と聞いてみたことがあるんです。
そしたら『宇宙に虹をかけたい!』と返ってきてしびれましたね。
宇宙空間には空気がないので、実現できるか分からないですが、自由な発想が素敵だな〜と感じたんです。
宇宙って知れば知る分だけ、いろんな発想が生まれてくるんですよね。
それを試行錯誤しながらみんなでチャレンジをして目標を達成していって、自信につなげていければ嬉しいですね。
Q.水ロケットプロジェクトを立ち上げた時はどれくらいの生徒が参加されたんですか?
3年前にスタートして、東京校と長野校との生徒を3チームに分けて1年間それぞれのプロジェクトに取り組みました。
私はAチームとして「巨大ロケットプロジェクト」を立ち上げたのが始まりです。
初年度は12人くらいだっと思います。
途中で長野校のメンバーが離れたり卒業したりして、6名程度になりましたね。
5mくらいの火薬ロケットを打ち上げるプロジェクトだったのですが、エンジンの入手が”テロに使われる”ということで、難しくて断念しました。
実は、当時カナダの記録は非公式ですが抜いていたんですよ!
まずはやってみようということで進めていたんですが、達成できたので、正式に申請して進めて練習していたんですが、今年の3月に大爆発したんですよね。。
Q.機体が大爆発してからのリカバリーエピソードを聞かせてください。
爆発する前に使っていた7リットルのペットボトルも製造中止になっていてもう手に入らなかったですしね。
色々と探したところ、アンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパン社の『 PureDraught™ ビール樽』の事を知り、学生と連絡をしたところ12リットルのペットボトルを10本も提供していただけたんです!
(翔和学園HPより)
もう失敗もできないので、頑丈にしていくためにカーボンを巻いたりしていたら、サポートしていただいたインターステラテクノロジズ社の方から「最先端のロケット同じだ」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。
自分たちで調べて、考えて、そしていろんな方々の支えがあったからことリカバリーできたんだと思います。
本当に多くの方に支えていただきました。
打ち上げを行った発射場のスペースコタン社やインターステラテクノロジズ社、アンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパン社、一緒にプロジェクトに参加してもらった友人でホンダ社の北さん、ノズル開発に困っていた時に助けて下さった東京大学IPC、東京大学工学部ものづくり部門、野方電機工業株式会社、他にも多くの方々が応援してくれたからこそ、リスタートできて目標を達成できましたからね。
本当に感謝しかないです。
Q.嬉しかったエピソードを聞かせてください。
インターステラテクノロジズ社の方から「今やっていることは我々がやっている事と何も変わりません。絶対に成功できるから諦めないでください。」と学生にエールをもらえたことは嬉しかったですね。
日本を代表するロケット企業の方々からのエールなので、子どもたちの自尊心に火がついて俄然やる気が出ていましたね!
インターステラテクノロジズ社のMOMOというロケットのプロジェクトマネージャーの堀尾さんもお忙しい中、トラックで駆けつけてくれて熱い言葉をくれてサッと帰って行って、凄くかっこよかったですね。
“本物”と触れ合ったことで子どもたちの成長は加速したと確信しています。
あとがき
今回はプロジェクトの中心として活動していた水川先生にギネス記録に挑戦する水ロケットのお話をお聞きしました。
晴れて正式にギネス記録に認定されて本当に良かったですが、それ以上にも挑戦して目標を達成していくことが、いろんな方々の強力につながったんだと思いました。
“やらされている事”ではなく”やりたいこと”に真摯に取り組んでいたからこその世界記録なんだと実感しました。
今後も、翔和学園の挑戦は続いていきますし、新たなプロジェクトも始動している事でしょう。
宇宙ビジネスMEDIAとしてもこれからも応援し続けて、近くで取材をさせていただこうと思っています。
得意、不得意は人によって違いますが、体験しながら学びを深めて、自尊感情を育んでいる翔和学園のみなさんがさらに大きなフィールドで活躍することを祈っています!
改めて、ギネス世界記録認定ほんとうにおめでとうございます!