みなさんこんばんは⭐️

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です。

暦の上ではもう冬なのでどんどん寒さが増していますし、師走も目の前となってくると体調管理が重要になってきますね!

そうです!体調管理や健康づくりといえばタニタ!

タイトル通りなのですが、今日は第19回『タニタ健康大賞』の贈賞式に参加してきました!

タイトルをよく読んでいない人の中には「宇宙ビジネスMEDIAがなぜ?」と思う人もいるかもしれませんが、大賞に輝いたのが、宇宙飛行士の野口聡一さんだからです!!

だからこそ、贈賞式の案内をいただいたので、参加してきましたよ!

(オフィシャル素材)

今回は贈賞式での野口聡一さんのお話などをメインに取り上げていこうと思います。

まずは、『タニタ健康大賞』ってなに?と思っている人に向けて簡単に説明しますね。

タニタ健康大賞について

2004年に設立60周年を迎えた健康総合企業の株式会社タニタの記念事業の一環として創設されたもので、国内において健康づくりに貢献した個人や団体を選び、年に1回表彰しています。

●これまでの贈賞者●

第1回 全国ラジオ体操連盟副理事長 青山 敏彦氏
第2回 社団法人日本ウォーキング協会
第3回 財団法人日本体育協会
第4回 財団法人聖路加国際病院理事長 日野原 重明氏
第5回 健康都市連合
第6回 メタボリックシンドローム撲滅委員会
第7回 世界糖尿病デー実行委員会
第8回 元・プロ野球選手 山﨑 武司氏
第9回 競泳選手 寺川 綾氏
第10回 プロスキーヤー・冒険家 三浦 雄一郎氏
第11回 公益財団法人日本相撲協会
第12回 サッカー選手 澤 穂希私
第13回 レスリング選手 吉田 沙保里氏
第14回 サッカー選手 中山 雅史氏
第15回 スキージャンプ選手 葛西 紀明氏
第16回 読売巨人軍二軍監督 阿部 慎之助氏
第17回 アニメソング歌手 水木 一郎氏
第18回 元プロ卓球選手 水谷 隼氏
※肩書きはそれぞれの贈賞式当日のものです。

色んな団体、個人が大賞に選ばれていて、アスリートの方も多くいらっしゃる中で、個人的には第17回の水木一郎氏が異彩を放っていると感じました!

さらには今回の第19回の大賞は宇宙飛行士の野口聡一氏なので、新たな異彩を放ち続けることになるだろうなと思いました!

今回、野口聡一さんがタニタ健康大賞に選ばれたワケが報道資料にありますので抜粋します。

今回、本賞を贈る野口聡一氏は、1996年に宇宙開発事業団(NASDA、現・宇宙航空研究開発機構・JAXA)が募集する宇宙飛行士候補者に選定されました。
その後、2005年にスペースシャトル「ディスカバリー号」による国際宇宙ステーション(ISS)組み立てミッションに参加し、リーダーとして3度の船外活動(EVA)を行なったのをはじめ、2009年には日本人では初めてソユーズ宇宙船に船長補佐として搭乗。
フライトエンジニアとしてISSに約5ヶ月半滞在し、「きぼう」日本実験棟ロボットアームの子アーム取り付けや実験運用などに取り組まれました。
2020年には米国人以外では初めて民間宇宙船クルードラゴンに搭乗し、長期滞在クルーとしてISSに166日滞在。
4度目のEVAや「きぼう」日本実験棟におけるさまざまなミッションに従事されました。
ISSの滞在期間は通算、335日となり、日本人最長を記録しています。
また、宇宙飛行士だけにとどまらず、日本の航空宇宙産業の一翼を担う研究者としても活躍されています。
これらの功績は宇宙開発に貢献されたことはもとより、子どもたちを含めた多くの日本人に勇気と感動を与えました。
長年にわたって宇宙飛行士として活動するための体力を維持し、未知の領域へと果敢に挑戦するたゆみない努力は、国民の健康意識を高める契機となり、本賞を贈るのにふさわしいと判断しました。

これまでの野口聡一さんの活躍からすると納得ですね!

2020年のクルードラゴンでのリフトオフは宇宙ビジネスMEDIAでも取り上げましたし、地球へ帰還してからもたくさんのイベントに出演されて宇宙を身近に感じてもらえる活動を目にした人も多いかと思います。

宇宙飛行士は宇宙という死と隣り合わせの環境で活動するために、不測の事態を全て想定した訓練やサバイバル訓練など、体力トレーニングを欠かしません。

さらに、ISSでは気軽に病院に行って治療することもできないので、健康管理は徹底的に行うので、今回の健康大賞にはピッタリだと感じました!

贈賞式の中での野口聡一さんのご挨拶や質問タイムもあったので、せっかくなので野口聡一さんのコメントをお届けしていきますね!

野口聡一宇宙飛行士コメント集

野口聡一氏の表彰後のコメント

第19回「タニタ健康大賞」という映えある賞をいただきまして、ありがとうございます。

2004年からの取り組みで、私が初めて宇宙に行ったのが2005年ですので、ほぼ同じくらいの長い期間を健康大賞は歴代の受賞者も素晴らしいアスリートの方々が並んでいるので、私がお受けしてもいいものかとちょっと迷ったのですが、谷田社長を含め、株式会社タニタの皆様は健康に関する様々な普及活動、啓発啓蒙活動をやられていて、健康なくして日々の活動は成り立たないですし、それは宇宙も含めた話であって、健康でないと宇宙、その先の未来へ向けての挑戦は成し遂げられないので、タニタさんの健康増進活動が地上だけではなく、宇宙へも続いているという観点で、今回の賞をお受けしたいと考えました。

普段の健康管理は、我々宇宙飛行士にはとても大事なテーマなので、これからもタニタの皆さん含めて、地上で頑張っているみなさんと一緒になって、日本人の健康な姿に向けて一緒に歩いていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

本日はありがとうございました。

(オフィシャル素材)

【谷田社長から野口聡一さんへの質問】

Q,普段から健康に気をつけている部分はありますか?

宇宙飛行士としては健康体であることは大切で、必ずしもトップアスリートである必要はないのですが、心身共に健康であるという意味では、体力作りや健康管理はトレーナーの方についてもらいますし、栄養管理士の方に指導してもらうので、食事と運動と休息のバランスが大事だと思います。

Q,眠りに関してはどうですか?

地上と宇宙とでは睡眠の問題が変わっててきていて、我々人間にとって一番素直なのは陽が登ったら目を覚まし、陽が沈んだら段々と眠りにつくことなのですが、現代人にはそのサイクルがなかなか難しいですよね。

宇宙でも全く同じで、本来の外が明るくなったら起きて、暗くなったら眠るサイクルにしていきたいのですが、我々が暮らしていたISSは90分で地球を一周するので、45分間お昼で、45分が真夜中になって一日で16回日の出がある環境だったので、朝6時に目を覚ましても真っ暗かもしれないですし、夜10時に寝ようと思っても外が眩しいということもありますので、自分の腕時計を見て時間になったら起きて、時間になったら寝るというサイクルを心がけつつ、自分なりの入眠のルーティンを作って極力毎日同じ時間に寝ることが宇宙でも基本ですね。

Q,コロナ禍でのインパクトはありましたか?

3回目の宇宙飛行はコロナの真っ最中で、打ち上げは2020年の11月だったのですが、宇宙飛行の半年から9ヶ月前くらいが最後の調整の時期になっていて、教官や実験担当の大学の先生や支援の宇宙飛行士など本当に多くの人と会って調整していくのですが、ちょうどコロナ禍にあたってしまい人と会えなくて、当時はまだワクチンも無かったので隔離しかないということで、ISSに行く4人の宇宙飛行士は家族とも会えず作業を進めていました。

本当は、実際に対面で会って進める方が効率がいいことでも、リモート会議でなんとか進めていきました。

将来、火星に住むことになったら多くのことをリモートで進めていかなければいけないので、そういう意味では我々の仕事を見直すいい機会になったかとは思っています。

Q,宇宙にも天気予報みたいなものはあるんですか?(MCからの質問)

いい質問ですね!

我々は半分冗談で、『宇宙の天気予報、今日は晴れ!(宇宙に天気はありませんよ)』ということを言ったりもするんですが、宇宙では雲ができて雨が降るというような気象予報はないのですが、全く違う観点での予報で大事になるのが『太陽風予報』というものがありまして、太陽からの放射線が太陽風として発生するのですが、対応の活動によって変動があって、強い太陽風だと地上では精密機器に不具合が出たり、オーロラがよく見えたりと影響があり、宇宙にいる我々は放射線を浴びすぎると健康被害があるので、太陽風が強くなるときは緊急避難をする可能性があり、NASAでも日々太陽風を観測して地上での降雨確率のように出してくれているところもあります。


【質疑応答】

Q,宇宙ならではの健康管理法はありますか?

地上では簡単にできることが宇宙では難しいってことはいっぱいありますが、日々の体調管理の一丁目一番地は体重管理だと思うのですが、宇宙で体重を計るのって大変で、体重計に乗っても無重力なのでずっと0kgなんですよね。

体調の変化ってまずは体重に出てくるので、宇宙ではバネの伸び縮みを使って逆算して体重を計るというアナログな計測をしています。

体重を計るという一点をとっても宇宙では簡単ではないので、日々の体調をしっかりと意識することが大切で、データをとることが難しい環境では、食べたものの記録を残したり、朝起きた時の顔色を見て変化を認識するなどして把握していました。

Q,宇宙での食事は何が一番美味しかったですか?

地上での保存技術も進んでいるので、宇宙食の種類も増えていています。

基本的には常温で1年間保存できれば宇宙に持っていけるので、バリエーションが増えています。

ただ、NASAの認証を受けなければいけないので、JAXAの方で認定宇宙日本食をいくつか選ばれていて、オーソドックスなところだと、私も大好きなんですがカレーがすごく人気で、B級グルメだとラーメンなども美味しいですね。

私が最後に宇宙に行った時には福井県の若狭高校の先生が自主的な活動で、生徒の皆さんとサバ缶を作ってそれがNASAに正式に認証されて宇宙に持っていったのですが、とても美味しかったですね!

Q,火星への移住はできると思いますか?

つい先日、NASAの試験ロケットの打ち上げが成功して、アルテミス計画のアルテミス1が動き出しました。

目下の目標は月に行くことですが、大きな目標としては火星まで行けるようにと考えていて、アポロ計画以来の大きなロケットの打ち上げを成功させました。

火星にはローバーという探査車が行っていますが、長期的な目標としては火星に人類を送ることを目指していて、2040年や2050年など様々ですが、人類が地球以外の天体に住めるように、月だったら極に水があるかもしれないとされているので、月に住むための研究材料になっていますし、ISSでは色々な環境整備だったり、植物を育てるなどの実験をたくさん行なっているのですが、それは将来火星に人類が住んだ時にある程度、自給自足で生活ができるようにというテーマで行なっているので、人類が火星に移住する準備はゆっくりですが進んでいるかなと思っています。

Q,初めての宇宙飛行と最後の宇宙飛行の間の体の変化はありましたか?

1回目の宇宙飛行はスペースシャトルで2005年に行きましたが、スペースシャトルでは約2週間の短期フライトで、新人でしたが3回の船外活動での組み立てや、地上チームとの連携、合計20時間くらいでしたが船外で活動するための体力づくりなどはっきりとした目標がありましたへ。

船外活動で着る宇宙服は、外は真空で中は約0.3気圧という低圧環境で自分の体を6時間動かすんですが、外が真空なので宇宙服が風船のようにパンパンに膨れてしまうのですが、その中で手を握って放すだけでも相当な体力、筋力を使うので、トレーニング欠かさずに行なっていました。

2回目、3回目は長期滞在なので、船外活動も行いましたが、科学実験やロボットアームの操作、地上の皆さんとの交信などミッションの種類が多くなるので、1回目のように船外活動に重点を置いたトレーニングをしていればいいわけでないですし、全てのミッションのトレーニングを1から全部を出来るわけでもないので、例えば科学実験であれば、1つ1つの手順を100%理解するのではなく、手順書の読み方を理解して日々のやることはその日の朝に聞けば何とかなるように仕上げていくことが違っていましたね。

NASAでは1から全部やる訓練から、やり方だけ覚えさせる訓練への変革があった20年だと思います。

(オフィシャル素材)

あとがき

第19回タニタ健康大賞に野口聡一宇宙飛行士が選ばれたということで、宇宙ビジネスMEDIAにお声がかかったということで、野口聡一宇宙飛行士にフォーカスした記事にしてみました。

野口聡一宇宙飛行士は発信活動に力を入れている宇宙飛行士なので、現役の宇宙飛行士の中では一番有名なのではないかと思っています。

ISSと地上との交信イベントや、科学実験をYouTubeで配信したりと皆さんの目に触れることも多い方ですが、宇宙でも地上でも多忙なのにアクティブに活躍できる秘訣は、しっかりと健康管理ができているからこそなんだと思うと、今回の大賞に選ばれたのには納得ですよね。

色んな宇宙でのお話を聞かせてもらえたので、いけだとしては満足です♪