みなさんこんばんは🚀

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!

今回は5月29日(月)に開催された衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)シンポジウム2023に参加してきたレポートです。

タイトルからして、人工衛星の地球観測データについてのイベントだったということは予想はできるかとは思いますが、主催のCONSEOについても簡単に説明してからシンポジウムの参加レポをお届けします。

CONSEOとは?

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が事務局を務める「衛星地球観測コンソーシアム」(英語名称:Consortium for Satellite Earth Observation; CONSEO)が2022年9月7日に設立されました。

産学官が集まり、日本の衛星地球観測分野における総合的な戦略提言をまとめ、宇宙基本計画や工程などを政策議論へ貢献すること、日本の地球観測に基づく地球科学の強みを伸ばし、世界との協調による気候変動対策を先導すること、さらに産学官による具体的な連携活動を推進し、コンソーシアムへの参加者が多様な産業に拡大することによって、日本の成長産業となることなどを目指します。

(HPより抜粋)

(HPより)

地球観測データを産官学が集まってより良い未来につなげていくための集いです!

JAXAや政府、宇宙企業、大学など集まって進めていくので、今回初めてシンポジウムに参加したのですが、新たな情報もたくさん知ることができました。

参加レポ

当日のプログラム

<タイムテーブル第1部CONSEO活動の総括(13時30分〜14時30分)>

13:30 – 13:40 会⻑ご挨拶(10分)
登壇者︓⾓南篤⽒(CONSEO会⻑, 公益財団法⼈笹川平和財団理事⻑)

13:40 – 13:45 来賓挨拶(5分)
登壇者︓坂⼝昭⼀郎⽒(内閣府宇宙開発戦略推進事務局審議官)

13:45 – 13:50. 来賓挨拶(5分)
登壇者︓永井雅規氏(文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当))

13:50 – 14:05 CONSEO提⾔について(15分)
登壇者︓平林毅⽒(CONSEO事務局、JAXA第一宇宙技術部門 地球観測統括)

14:05 – 14:15 CONSEO 2023年度の取り組みに関する紹介(10分)
登壇者︓松尾尚子氏(CONSEO事務局、JAXA衛星利用運用センター技術領域主幹)

14:15 – 14:30 衛星地球観測に係る多様な取組(15分)
①経済産業省の観測衛星データ利⽤ビジネス振興施策について(10分)
登壇者︓伊奈康⼆⽒(経済産業省宇宙産業室⻑)

②地球衛星観測の統合的戦略⽴案の必要性について︓学術会議での議論(5分)
登壇者︓⾼薮縁⽒(CONSEO副会⻑東京⼤学⼤気海洋研究所教授)

<タイムテーブル第2部キーノートスピーチ&パネルディスカッション「Envision the Futureを⽬指して」(14時40分〜17時00分)>

14:40 – 15:00 キーノートスピーチ①(20分)
テーマ︓「気候科学と衛星データが拓く新ビジネスと気候変動への適応」
登壇者︓北祐樹⽒(GaiaVision代表取締役/ 東京⼤学⽣産技術研究所研究員)

15:00 – 15:45 パネルディスカッション①(45分)
テーマ︓「気候変動と安全保障」
気候変動が社会に⼤きな影響を与えることについて気候安全保障とも⾔われている。
農業や経済等も含めた安全保障について多様な観点でグローバルな課題への取り組みを議論する。
パネリスト︓⼩林鷹之⽒(衆議院議員前内閣府特命担当⼤⾂(宇宙政策))
⾓南篤⽒(CONSEO会⻑公益財団法⼈笹川平和財団理事⻑)
⻑島純⽒(⽇本宇宙安全保障研究所理事)
進⾏︓⽩坂成功⽒(應義塾⼤学⼤学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)

15:45 – 16:00 キーノートスピーチ②(15分)
テーマ︓「デジタル庁の現状と課題」
登壇者︓村上敬亮⽒(デジタル庁統括官)オンライン登壇

16:00– 16:45 パネルディスカッション②(45分)
テーマ︓デジタル・グリーンとの融合による新しい社会へ
CONSEO提⾔においてデジタル・グリーンとの融合が不可⽋とされたことから、⾒通せる社会において衛星データがどのように活かされるのか、未来として想像されるデータドリブンな社会に向けての取組みを議論する。
パネリスト︓
松本紋子⽒(ANAホールディングス株式会社 グループ経営戦略室 事業推進部 宇宙事業チームマネージャ)
⽯⽥真康⽒(A.T.カーニー株式会社ディレクター、⼀般社団⼈SPACETIDE 代表理事兼CEO)
⾺⽥隆明⽒(東京⼤学産学協創推進本部FoundXディレクター)
進⾏︓ ⾕本有⾹⽒(Forbes JAPAN 執⾏役員Web編集⻑)

16:55 – 17:00 副会⻑ご挨拶(5分)
登壇者︓中須賀真⼀⽒(CONSEO副会⻑, 東京⼤学⼤学院⼯学系研究科教授)


内閣府や文科省、経産省の取り組みについては、知らないことも多く、スタートアップ支援についての取り組みなどはこれからの産業発展には欠かせないと思いました。

ただ、色んなイベントでの登壇があって知る機会があるのですが、活用するためにじっくりと情報を吟味する時間って中々ないので、国の支援策のイベントがもっとあればいいなと感じました。

今回のシンポジウムで特に取り上げたいなと感じたのが、パネルディスカッション①の「気候変動と安全保障」です。

これまで、注目出来ていなかった分野でもあるので、いけだとしては新しい知識として知ることが出来て嬉しかった部分です。

具体的な内容はぜひYouTubeチャンネルのアーカイブをご覧いただきたいのですが、ビジネス視点でのデータ利活用に注目してばかりいたので、昨今の気候変動による自然災害と対策、また人工衛星の軍事的なオペレーションなども変わってきている現実を知りました。

確かに、世界規模で自然災害が多発していて、スタートアップ企業も含め、各国政府や行政などが人工衛星の活用に力を入れている分野ではあります。

そもそも、災害についての対策が事前にできていれば損失を大きく下げられるので、人工衛星のデータ活用は必然だと考えられます。

ただ、人工衛星の性質上、各国の安全保障が必須となってきます。

安全が担保された上での、宇宙開発・宇宙利用だと思うので、世界統一でのルール策定がなされ、国際協力の名の下で、それぞれの国でのルール化が求められると感じました。

宇宙というフィールドを開拓していくためには、『地球』という単位で取り組んでいかなければいけないくらいに広大なのですが、どうしても各国それぞれの安全の担保のため、軍事技術に転用できる宇宙開発を独自で進めていってしまうこともあります。

本当の意味で、国際協力・地球協力が宇宙利用の発展に繋がるんだと実感したパネルディスカッションでした。

あとがき

今回の取材でCONSEOをはじめて知ったいけだですが、ただのイベントではなく多くの気づきを与えてもらえたので、個人的にはとても有意義なシンポジウムでした。

当日のアーカイブもYouTubeチャンネルに上がっているので、全てを知りたい方はぜひ見てください!
(※シンポジウム自体が長かったので、当然YouTubeも長いです!)

(衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)YouTubeチャンネルより)

CONSEOをもっと詳しく知りたい方はホームページもチェックしてください✨

衛星地球観測コンソーシアム公式HP:https://earth.jaxa.jp/conseo/