みなさんこんばんは!

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!

以前に野口聡一宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)へ向けてスペースX社の有人宇宙船クルードラゴンで出発する記事を掲載しましたが、あれから約半年が経過し長期滞在ミッションが終了しようとしています。

野口宇宙飛行士の交代として日本時間4/23(金)18:49に星出宇宙飛行士がISSへ向けて飛び立ちます!

本来なら今日4/22(木)での打ち上げの予定でしたが、アメリカのフロリダ州にあるケネディ宇宙センターの天候悪化に伴い、1日延期となりました。

星出宇宙飛行士が搭乗するのもスペースX社のクルードラゴンで運用2号機です。

(提供:JAXA)

星出宇宙飛行士の特設サイトもやっぱりカッコいい!

今回ももちろんリフトオフのライブ配信が行われるのでみんなで星出宇宙飛行士を見送りましょう!

星出彰彦宇宙飛行士

今回で3回目のISSミッションとなる星出彰彦宇宙飛行士。

1992年にNASDA(現JAXA)に入社し、H-IIロケットの開発や、宇宙飛行士訓練計画の開発支 援や実験装置の人間機械系設計評価支援、若田宇宙飛行士の搭乗した STS-72 ミッションなどの支援を行い、1999年に古川聡氏、山崎直子氏とともに、宇宙飛行士候補者として選抜されました

そこから2年間の訓練を経て、2001年に宇宙飛行士として認定されます。

漫画:宇宙兄弟でもこの部分は描かれていて、宇宙飛行士の選抜試験を通過したら宇宙飛行士になれるのではなく、候補者として2年間の訓練が始まります。

日本、アメリカ、ロシアでの各種訓練には、広大な自然公園でのサバイバル演習や、航空機訓練、もちろん座学での分厚いマニュアルの講習もあります。

この訓練を乗り越えた人たちが正式に宇宙飛行士として認定されるのですが、そこからいつミッションにアサインされるかは分かりません。

引き続き、訓練と地上でのお仕事をし、正式に宇宙飛行士として認定されてから5年後の2008年、星出宇宙飛行士の初めての宇宙飛行です。

スペースシャトル「ディスカバリー号」でISSに向かい、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)を操作して、「きぼう」日本実験棟船内実験室のISSへの取付けや、同年3月にISSへ仮設置された船内保管室の船内実験室への移設を行いました。

また、船内実験室の起動、「きぼう」ロボットアームの初期起動など、「きぼう」に関わる作業全般を担当しました。

2回目のISS滞在は4年後の2012年ソユーズ宇宙船でISSへ向かいました。

滞在中は「きぼう」での実験やISSの維持管理を行ったほか、3回の船外活動、宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)ミッションやドラゴン補給船運用1号機(SpX-1)ミッション、小型衛星放出技術実証ミッションに関わる軌道上作業などを行いました。

そして、今回スペースX社の民間有人宇宙船のクルードラゴン運用2号機でISSコマンダー(船長)として約半年間のミッションに挑みます。

【コマンダー(船長)の任務とは?】

コマンダー(船長)は、ISS滞在クルーおよびISSの安全に対する責任を有し、ISSの軌道上での運用全体について、滞在する宇宙飛行士を統括する役割です。

定常のISS保守・実験等の作業は他のフライトエンジニアと同じだが、船長として常にISS全体の状況を正確に把握すると共に、自らの担当作業も含めその日ごとのクルー全体の作業予定と結果について確認します。

また、地上側でISS運用の統括を行うヒューストン管制局のリードフライトディレクタらとのISS運用・利用計画と円滑な遂行に関する緊密な連絡とインクリメント(ISS運用期間の単位)全体としての調整、その他問題の把握と解決に関する指摘は、船長の重要な定常作業です。

船長として特に他のクルーの作業予定や負荷の度合い、体調などにも気を配り、要すれば他のクルーや地上の各管制官らと作業計画の見直しやその他の問題解決のための調整を図るなどし、クルー全体の健康とモチベーション、チームワークや良好なコミュニケーションの維持、クルー全員の目標に向かうベクトルを合わせることに努めます。

更に、緊急事態(火災、急減圧、有毒物質漏洩等)の発生時においては、船長は緊急事態の状況を正確に把握し、クルー全員の安全及びISS機能維持のための迅速且つ的確な対応の指揮を執ります。

宇宙でのコマンダーのポジションはかなり重要です。

地上とは全く違う真空・無重力環境の中にISSという大型の宇宙船があり、その閉鎖空間で約半年間健康にミッションを遂行させなければいけないので、クルーの体調、メンタルにはとても気遣いが必要になり、コマンダーの指示を元に、各クルーは作業を進めることになります。

その大役を星出宇宙飛行士が担う訳です!

「臭わない、を着る」MXP

野口宇宙飛行士の時にはBEAMSがプロデュースした船内活動服を紹介しました。

今後、宇宙利用が活発化していくと民間利用も増えてくるので、衣食住の要素はかなり重要になってくるので、どんどん進化させていっています。

(提供:ゴールドウイン)

「宇宙でも、地上と同じ快適な着心地を」

水が貴重な宇宙生活では地上のように自由にシャワーや入浴、洗濯することができません。また搭載する物品の量に制限があり、頻繁に着替えることもできません。

株式会社ゴールドウインは、宇宙飛行士がより快適にISS船内で暮らせるように、高度な消臭機能と、抗菌機能、快適な着心地に優れた素材「マキシフレッシュプラス」を採用したウエアを開発。

宇宙での着用試験を経て2010年に誕生したのが、「宇宙下着ブランド」MXPです。

現在MXPはソックス、Tシャツやスウェット、ポロシャツなど人々の日常を快適にするため、多くのアイテムに開発を拡げています。

星出宇宙飛行士は今回のミッションで、現在一般に販売されているMXP製品と同じものをISS船内で着用し、より良い製品開発のために意見や感想をフィードバックしていただきます。

1. JEM Water Recovery System~次世代水再生システム構築に向けた技術実証~

2. FLARE~火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価~

3. Cell Gravisensing~細胞の重力センシング機構の解明~

4. Anti-Atrophy~無重力や寝たきりによる筋萎縮の予防に有効なバイオ素材の探索~

5. 高品質タンパク質結晶生成実験~凍結融解技術および温度維持輸送技術実証~

6. ELF~静電浮遊炉を使用した高精度熱物性測定~

7. J-SSOD~超小型衛星放出ミッション~

8. 2nd Kibo Robot Programing Challenge ~第2回「きぼう」ロボットプログラミング競技会~

野口宇宙飛行士のミッションから継続されるもの、新たにミッション開始されるものがありますが、この8つの中で、1. JEM Water Recovery Systemと8. 2nd Kibo Robot Programing Challengeの2つを取り上げさせてもらいます。

JEM Water Recovery System(水再生システムの技術実証)とは

革新的な次世代型水再生システムの構築に向け、日本独自の高圧電気分解方式 に対する微小重力影響や水再生システムデザインの構築を目的に小型の技術実証装置を用いてデータを取得します。

日本独自の水再生システムでは、尿を、①イオン交換、②高温高圧水電解、③ 電気透析の3段階の処理工程に通し、宇宙飛行士が飲用可能な水に再生します。

また、電気透析で生成する酸/アルカリ水を利用してイオン交換樹 脂を再生し、メンテナンスフリー化を目指しています。

本実験の意義 • ISSにおける飲料水の一部は、宇宙飛行士の尿やエアコンからの凝縮水などを 浄化処理してリサイクルしており、米国の水再生処理装置が使われています。

日本の水再生システムは、ISSにある従来の水再生処理装置に比べ、「小型、 省エネ、高再生率、メンテナンス性」を向上させたシステムです。

低消費電力で小型・高効率の水再生システムは、日本の自立したポストISS有人ミッションの実現や国際有人宇宙探査ミッションにおける基幹部分として、日本の貢献につなげることが期待されます。

また地上では水資源が限られる干ばつ地帯や山岳地帯、被災地等へ応用することが考えられます。

第2回「きぼう」ロボットプログラミング競技会とは

本競技会は、「きぼう」船内をゲーム空間に見立てISS船内ドローンを動かすプログラムを作成して、与えられた課題をクリアしながら、ISSクルーにミッション完了を報告するまでの時間や課題対応力について競います。

10を超える国・地域から学生が参加する予定で、競技会は2段階で実施されます。

各地域の予選:JAXAが提供する地上のシミュレータを使用

国際決勝大会:選抜チームが「きぼう(軌道上)」内でISS船内ドローンを動かし、優勝者を決定

2021年9月頃に決勝大会を計画中。

本活動は、日米オープン・プラットフォーム・パー トナーシップ・プログラム(JP-US OP3)を通じた日米協力による「きぼう」アジア利用の拡大を目指すプログラムです。

具体的には、JAXAとNASAの宇宙ドローンロボットを使い、日本を含むアジア太平洋地域の学生に対して宇宙でのロボット操作やコンピュータプログラミングに関する教育機会を競技会形式で提供します。

更に、将来の地球低軌道や、月・月近傍による有人宇宙活動に必須となる人とロボットが協調することの重要性を学ぶ機会を提供し、実践的な取り組みを通じた次世代人材を育成します。

ライブ配信

星出宇宙飛行士の打上げ及びISS到着の模様を生中継!

 

星出彰彦宇宙飛行士が搭乗するクルードラゴン宇宙船運用2号機(Crew-2)のISSへの打ち上げから、ISS到着の模様をJAXAイベントライブ配信専用チャンネル(YouTube)で生配信します。

感動の瞬間を一緒に見守りましょう!

Team JAPANで宇宙のその先へ。星出宇宙飛行士ミッション応援プロジェクト

『打ち上げ篇』

URL:https://youtu.be/zpEaCC-WXe0

4/23(金)17:55~19:10
★出演者★
応援サポーター:松丸亮吾氏
解説:JAXA有人宇宙技術部門有人宇宙技術センター 「きぼう」フライトディレクタ(J-FLIGHT)髙橋櫻子氏
進行:JAXA有人宇宙技術部門事業推進部(ISS広報) 柳田さやか氏

※放送日時や出演者は変更となる場合がございます。


『ISS到着篇』

URL:https://youtu.be/jh4jDCV75jg

4/24(土)19:15~21:15
★出演者★
応援サポーター:松丸亮吾氏
解説:JAXA有人宇宙技術部門有人宇宙技術センター インクリメントマネージャ 山本紘史氏
進行:JAXA有人宇宙技術部門事業推進部(ISS広報) 柳田さやか氏

※放送日時や出演者は変更となる場合がございます。


今回の打ち上げを見るために、アメリカのフロリダ州にあるケネディ宇宙センターには10万人が集まると報じられています。

それくらい一大イベントなんです!

今はコロナウィルスの影響もあり現地に行くことは難しいので、みんなでライブ配信を見て星出宇宙飛行士の出発を見送りましょう!