みなさんこんばんは⭐️

宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!

今回はアストロスケール社のリリースです。(※リリースだけ読みたい方はこの後は飛ばしてください)

ご存知の方も多いかと思いますが、アストロスケール社はデブリ(宇宙ごみ)の除去を行う会社です。

近年は人工衛星が多く打ち上げられていますし、コンステレーション(群)として1つのサービスに複数の人工衛星を利用することが主流となっています。

ただし、人工衛星にも寿命が存在し、役目を終えた衛星は大気圏に落下させて燃え尽きさせたりしていますが、宇宙空間に到達した後に不具合が起きて制御が出来なくなる衛星や、小さな隕石が衝突して故障してしまうケースがあります。

そんな時、地球上では回収に行ったり、修理して再利用したりすることが当たり前ですが、宇宙空間では簡単にはいかないのです。

そうなった場合に、デブリとして地球の軌道上に残ってしまうと他の衛星の邪魔になったり、宇宙船の障害になったりしてしまいます。

そこで、「宇宙空間のお掃除をする!」という試みにチャレンジしているのがアストロスケール社です!

そんなアストロスケール社の2023年度に新たなミッションが開始予定となっているリリースです。

2023 年度にミッション開始予定

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星の製造・開発を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤 英毅、以下「アストロスケール」)は、この度、2023年度にミッション開始を予定している商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」の紹介動画を公開しました。

(YouTubeチャンネル:Astroscale)

アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証(CRD2※1)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-J を開発しています。

ADRAS-J はRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」による打上げを予定しており、軌道投入 後、非協力物体である日本のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。

本ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初の試みです。

これはデブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素であり、本ミッションでは、捕獲・軌道離脱を除くすべてのRPO※2(ランデブ・近傍運用)過程を実証します。

なお、当初は 2022年度内の打上げを予定していましたが、衛星開発スケジュールを踏まえRocket Labと調整した結果、打上げ予定時期を2023年度へと変更いたしました。

ADRAS-J ミッションでは、日本政府が2021年11月に公表した「軌道上サービスを実施する人工衛星の管理 に係る許可に関するガイドライン」を踏まえ、安全性や透明性のための措置を講じます。

このガイドラインのもとで許認可を受けることにより、ADRAS-J ミッションは軌道上サービスに関する国の規制のあり方についても、世界に先駆けて示す先駆的なミッションとなります。

また、ADRAS-J がミッションを通じてこの規制の有効性を示すことで、軌道上サービスの実施が促進されることも期待できます。

また、アストロスケールは2022年8月に、CRD2のフェーズ II におけるフロントローディング技術検討の契約相手方の一社に選定されました。

本技術検討成果は商業デブリ除去実証フェーズ II を実施するための実証システムの技術的成立性や、フェーズ II 後の事業展開とその事業性に関する検討の参考にされるものであり、今後行われる、商業デブリ除去実証フェーズ II の実施に関する契約における契約相手方選定への参加条件となっています。

商業デブリ除去実証(CRD2)について:https://www.kenkai.jaxa.jp/crd2/index.html

ADRAS-J ミッションについて:https://astroscale.com/ja/missions/adras-j/

アストロスケールについて

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む世界初の民間企業です。

2013年の創業以来、軌道上で増加し続ける デブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去(EOL※3)、既存デブリの除去 (ADR※4)、寿命延長(LEX※5)、故障機や物体の観測・点検(ISSA※6)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。

また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、 ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。

本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。

https://astroscale.com/ja/

※1 CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstration の略称 
※2 RPO:Rendezvous and Proximity Operations Technologies の略称 、ランデブ・近傍運用 
※3 EOL:End-of-Life の略称 
※4 ADR:Active Debris Removal の略称 
※5 LEX:Life Extension の略称 
※6 ISSA:In-Situ Space Situational Awareness の略称

あとがき

リリースなので難しい内容かもしれませんが、「宇宙空間にはたくさんのデブリがある」というのが当たり前の認識とされていますが、これまでそのデブリの状態がどうなっているか、どれくらいあるのかを明確に調査されていなかったものをアストロスケール社のADRAS-Jが行うということです!

実際にデブリに近づいて状態の把握をするというのは、宇宙空間ではめちゃくちゃ難しいことです。

地球上で、放置されている自転車を撤去するのとは訳が違い、地球の軌道上をぐるぐる回っているので、実は高速で動いている状態です!

それに近づいて、調査をすることで、デブリの状態把握ができ、ゆくゆくの回収という作業ができる実証になるので、このミッションは期待大ですね!

2023年度の開始予定で進んでいるようなので、みなさんで楽しみにしていましょう!