みなさんこんにちは!宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です!

今回は、先日プレスリリースのあった、アクセルスペース社の日本で初となる量産人工衛星打ち上げのお披露目会という記者発表のイベントに参加してきました。

記者発表の内容も含めて今回はアクセルスペース社の特集です!!

 

株式会社アクセルスペースとは?

東京都の日本橋に本社を構えている宇宙企業で、超小型衛生の開発・製造及び超小型衛生を利用したソリューションの提案を行っています。

アクセルスペースは商用利用の超小型衛生を所有した世界初の企業です!

日本での超小型衛生の先導企業と言って間違いないと思っています。

これまでに5機の人工衛星を打ち上げていて、今回の記者発表は以前より進められていた、数十機のGRUS衛星でのコンステレーションで地球観測網の構築を目指すAxelGlobeの小型衛生に4機追加され、2021年3月20日(予定)に打ち上げられることになったお披露目でした。

これまでに打ち上がっている人工衛星も次で紹介します!

WNISAT-1

(提供:アクセルスペース)

北極海域の海氷の観測を目的とした27cm四方、10kgの超小型衛星で世界初の民間保有の商業衛星として、2013年に打ち上げられました。

現在は、後継機のWNISAT-1Rに海氷観測のミッションを引き継ぎ、「航空機の北極航路運行支援サービスに向けた太陽活動の影響による磁場変動観測ミッション」を行っています。

地上分解能500mの可視光バンドと近赤外光バンドのカメラ、および温室効果ガスの濃度変化を調べるためのレーザーを搭載しています。

HODOYOSHI-1

(提供:アクセルスペース)

地球観測(リモートセンシング)を目的とした約50cm四方、60kgの超小型衛星で、地上分解能6.7m、観測幅約28kmの画像を取得できる光学センサが搭載され、2014年に打ち上げられています。

東京大学の主導で2010年より実施されている、内閣府最先端研究開発支援プログラム「日本発『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」の最初の衛星として「ほどよし1号機」の開発を東京大学及び次世代宇宙システム技術研究組合が中心となって実施されていて、アクセルスペース社もその開発に参加しています。

 WNISAT-1R

(提供:アクセルスペース)

先ほど紹介した、WNISAT-1の後継機で、北極海域の海氷の観測を主な目的とした約50cm四方、43kgの超小型衛星です。

アクセルスペース社とウェザーニューズ社の共同で開発され、2017年に打ち上げられました。

画像を見比べてもらうと分かるのですが、前述のHODOYOSHI-1で実証されている技術をベースに作られていて、WNISAT-1よりも搭載されているカメラの性能も上がっていて、地上分解能は400mです。

GRUS-1

(提供:アクセルスペース)

次世代型超小型地球観測(リモートセンシング)衛星で、60cm×60cm×80cmで100kgの超小型でありながら、地上分解能2.5mカメラが搭載されていて、地球観測が可能となります。

2018年に最初のGRUS-1が打ち上げられ、その後多数の衛星でコンステレーションを形成し、地球の高頻度かつ広範囲で観測できる仕組みのAxcelGlobeが運用されています。

『今回の記者発表での4機はこのAxcelGlobeの追加の4機で、GRUS-1B、1C、1D、1Eです。』

2.5m分解能の画像がこれです。

羽田空港の滑走路を観測した画像ですが、鮮明な画像で飛行機の数もわかるレベルです。

RAPIS-1

(提供:アクセルスペース)

2019年に打ち上げられた、JXAが進める進める「革新的衛星技術実証プログラム」の最初の実証機で、民間企業や大学、研究機関が開発した衛星搭載用コンポーネントが搭載され、アクセルスペース社は設計・製造から運用まで担当しました。

約1m四方で200kgと今までの人工衛星の中では大型で、JAXAの施設を使用して製造された機体です。

2020年6月24日にミッション終了し、現在は停波しています。

記者発表

2020年11月26日(木)9:30より日本橋のアクセルスペース社で記者発表が行われました。

zoomでも同時に配信されていてzoomでの参加をしました。

アクセルスペース社の概要の説明から経営陣の簡単な自己紹介から始まり、これまでの超小型人工衛星の実績の説明が行われました。

前の項目で説明した5機ですね。

今回打ち上げが発表されたGRUS-1B、1C、1D、1Eの4機がAxcelGlobeに加わることで、これまで2週間に1回だった観測頻度が2日に1回と大幅に向上されます。

今後更に増えていけば時間単位での観測も可能になりますね。

日本初の量産人工衛星でこれまで、1機ずつの製造だったアクセルスペース社ですが、4機追加での量産化に成功したことで、培われたノウハウを活かし今後の体制強化をしていくそうです。

それに伴い、AxcelGlobeのみではなく、全世界の企業をターゲットとした超小型人工衛星の量産化を視野に入れています。

全ての工程で時間や金額、想定外の不具合など全てをデータとして保有し、今後の量産体制に活かしていく上でも、今回のGRUSの量産化については、世界に乗り出す大きな一歩になると思います。

パネルディスカッション

モデレーター
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻教授 中須賀真一氏

パネリスト
NASA アジア担当代表 ガーヴィー マッキントッシュ氏
JAXA 新事業促進部長 岩本 裕之氏
経済産業省 製造産業局 宇宙産業室 室長補佐 伊奈康二氏
アクセルスペース CEO 中村 友哉氏

まずは中須賀氏からこれまでの超小型衛生の動き、世界としてのトレンドなどの説明があり、パネリストの方々が一人ずつ話しました。

NASA アジア担当代表のカーヴィー マッキントッシュ氏は以前に受講している名古屋大学の「民間における宇宙利用」 2週間基礎コース受講体験記事!(後半戦)のオプションでNASAの講義がありその際にお話聞かせて頂きました!

その時は全部英語だったので、全部は理解できなかったのですが、今回の会見ではなんと日本語で話されていました!

以前にNASAの方々と一緒にアクセルスペース社に訪問していたみたいでその時のお話をしていました。

JAXA 新事業促進部長 岩本 裕之氏は宇宙の商業利用、宇宙ビジネス、宇宙マーケットの促進のための活動をして、宇宙ベンチャーや大企業、これから宇宙に新規参入したい企業と共同でビジネスを作り上げています。

その中で、宇宙利用について、特に衛生データの活用については、特に今後のコンステレーションや高頻度での観測などAxcelGlobeに期待しています。

経済産業省 製造産業局 宇宙産業室 室長補佐 伊奈康二氏は有識者や関係省庁、JAXAなどと連携して、宇宙開発の促進を行っています。

6月に改定された宇宙基本計画でも超小型衛星やコンステレーションの技術の重要性も記されていて、アクセルスペース社はまさしく重要なフェーズにいると思います。

ディスカッションのキーワードとしては、『コンステレーションと政府と民間の連携』になっていくかと思います。

アメリカでは民間企業が自分たちで資金調達をし技術を伸ばして、その成果を政府がサービス調達をする流れになっています。

中須賀氏はこれを宇宙産業の第4世代と定義しています。

池田が参加したセミナーでもSpeca4.0(宇宙第4次産業革命)という言葉が出てきました。

日本もこの流れに乗らないと、国の予算だけでの宇宙開発は限度があるので、ここを掘り下げていきます。

JAXAは民間からのサービス調達にどんどん切り替えを行っている最中です。民間企業ができることがすごく増えていて、衛星の製造、ロケットの打上げ、探査などいろんなビジネスが出てきているので、民間のプレーヤーからのサービス調達を行うことで、宇宙開発の市場を広げていっています。

(岩本氏)

NASAがアクセルスペース社のサービスを利用することがあれば凄くいいことなのですが、いかがですか?

(カーヴィー氏)

NASAはアメリカ政府機関なので、日本の民間宇宙企業と直接協力することは非常に難しいとは思いますが、将来的な話はしました。

NASAは大量のデータを提供する地球観測衛星を持っていますが、全ての領域をカバーすることは出来ないので、アクセルスペース社がカバー出来るのではないかと考えています。


もっと議論は必要ではありますが、NASAと協力するチャンスになるのではないかと思っています。

NASAと直接お仕事をする事って難しいんですね。基本的にはNASAはアメリカ企業とタッグを組むので、そのアメリカ企業と日本企業が手を組む形で、間接的にNASAと仕事をするのが一般的みたいです。


(中須賀氏)

コンステレーションは今後の観測データで時間分解能と言われる観測頻度を上げていく上で、欠かせない技術になっていますが、経産省ではここに力を入れてプログラムを動かそうとしていますが、経産省が力を入れる理由を教えてください。

(伊奈氏)

宇宙からのデータ活用で欠かせない技術だということが基本ではあるのですが、これまで経産省としては小型衛星の部品コンポーネントへの開発補助を行っていて、来年度以降数年間かけて小型衛生のコンステレーションにかかる基盤技術の開発について大きなプロジェクトを動かしていきたいと思っています。

その中で、内閣府が新たに立ち上げる政府の衛星開発実証プラットフォームで関係省庁からデータを買ってもらうためにもニーズの吸い上げを行ってコンステレーション技術の基盤開発を進めていきたいと考えています。

やっていかなければいけないことは沢山ありますが、もっとも重要だと考えているのは『汎用バス』の開発です。

現状では、国内で様々な事業者が衛生のバスの開発を行っていますが、ある種の重複投資になっていますし、様々なミッションに対応した汎用的なバスを開発することによって、今後の本格的なビジネスの展開に向けても量産化も効率的な体制が組めると思うので、汎用バスの開発を行うことに補助を行う事業を経産省として予算を概算要求している状況です。

(中須賀氏)

経産省としてこういった動きがあるのはありがたいことですね。

コンステレーションをする上で、大量生産するなら1機あたりのコストを下げなければいけないし、開発の迅速化を行わないと多くのミッションに対応できなければいけないです。

1機を作り上げることと、大量生産することでは、モノの作り方、衛生の設計、システムの開発から作り方を変えていかなければいけないです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を衛星分野でも取り入れていく必要がある。

衛星開発をする上では様々な地上試験を行わなければいけないので、宇宙環境を極めて正確にモデル化できて、尚且つシミュレーションができれば衛星開発はもっとスピードアップすることができます。


これからは日本でも民間企業がメインプレイヤーとなって宇宙開発を推し進めていく時代です。

もちろん国とも連携して宇宙に関わる全てが協力体制を構築し進めていく分野だと思っています。

直接的には宇宙分野に携わっていない人たちもどんどんビジネスのフィールドを広げていって、宇宙にチャレンジしていく時代になっています。

アメリカではすでに民間企業が先導して宇宙開発を進め、国がサービス利用する流れが構築されていて、人工衛星のコンステレーション、大量生産が実現しています。

今回のアクセルスペース社の同一機体の量産型衛星の完成は大きな一歩になると思います。

日本はまだまだアメリカには遅れをとっている現状ではあるのですが、追いつけるように民間企業、大学、団体が活発に動いているのが取材を通して実感している部分です。