みなさんこんにちは!宇宙ビジネスMEDIA編集長の池田 真大(いけだ まさとも)です。

今回の記事はタイトルにもある通り、宇宙ビジネスMEDIA初の取材対談記事です!

(※対談は9月3日に行ったのですが、名古屋大学の講義のまとめや、記事化、北海道出張など重なってしまい掲載がおくれてしましました。。)

実際に活動されているみなさんの生の声を聞かせて頂きました!(対談はzoomですが)

今回は2020年度代表の馬場さん、副代表の荘司さん、関西支部副代表の種田さんの3名に取材にご協力頂きました。

なるべく対談そのままの文章でお届けしていますので、ご覧ください!

対談スタート!

(池田)

それでは早速ですが、TELSTARとはどんな活動をしているのですか?

(馬場さん)

TELSTARは『宇宙産業を日本の基幹産業にする』という理念に掲げており、特に進路選択において大事な時期である中高生に向けた宇宙の魅力を伝える冊子の制作だったり、イベントの開催を行っている学生団体です。

(宇宙フリーマガジン TELSTAR)

(池田)

立ち上げのきっかけや、経緯をお教えてください。

(馬場さん)

我々はすでに8年目、9年目に差し掛かっていて、立ち上げた方はもう社会人として働いています。

TELSTAR創設者の城戸は、元々文系だったが『綺麗な宇宙にゴミがあるのが許せない!』という思いで理転して、宇宙に対していろんな選択肢があるということを身を以て感じたために、大学3年生の時に中高生に向けたアプローチをかけようと立ち上げたのがTELSTARです。

(池田)

みなさん創設者の城戸さんとはお会いすることもあるのですか?

(馬場さん)

そうですね!ちょいちょいお話させてもらい、気にかけてもらっています!

(池田)

みなさんがTELSTARに参加されたきっかけを教えてください。

(馬場さん)

元々宇宙が好きだったというのもあって、小さい頃から特に『はやぶさの帰還』のニュースなどを見て、漠然と宇宙が好きだったというのがあって、Twitterで募集していたのをきっかけに、「面白そうだから入ってみよう!」と軽い気持ちで入って今の活動を行っています。

(荘司さん)

学生団体やサークルは基本的に1年生から入る人が多い中、僕は2年生から参加しました。

元々宇宙に関わりたいと思い、大学に入学しました。「大学に入ればゴールと思っていた部分があり、機械工学部でロボットを作成して宇宙に送りたい!」と思っていましたが、作る部分など全く何も考えていなくて、実際にやってみると、設計など楽しんで取り組んでいる同級生がいる中、全然楽しめていない自分がいるのに気づき、急に宇宙への道が閉ざされた気がしていました。

大学1年の冬、高校生の時から憧れているNASAのエンジニアの小野雅裕さん

が登壇したイベントで『宇宙というのは、今見えているロケットや人工衛星を作る、打ち上げる、運用するということは、まだほんの氷山の一角に過ぎなくて、そこから人がどんどん宇宙空間や月面などに行くってなると、今地球上にあるあらゆる産業の領域が地球から宇宙に飛び出す!だから興味があるものをもっと極めて欲しい!好きなことをもっと探して欲しい!』と言われたんです。

この言葉が自分にとってのパラダイムシフトになりました。ロケットやロボットを作ればいいと思っていたけれど、「好きなことをやればいい」と言われて、どうしよう?と悩んでいたところ、TELSTARを思い出したんです。この団体で入れば、情報収集と「好きなことをやればいい」ってことを昔の自分に、これからの中高生に伝えられる、情報を発信してみたいな思ったのがきっかけです。

「好きなことで宇宙に関われるんだよ」と伝えたくて2年生から始めました。

(種田さん)

私は関西支部で行われたイベントに参加したのがきっかけです。

小学生くらいの頃から『はやぶさ』が好きで、憧れていたので、将来は宇宙に関わる仕事に就きたいなとずっと思っていました。

高校生の時に参加したTELSTARの関西支部のイベント(宇宙HACK!)でNASAの小野雅裕さんの講演があり、「関西でも宇宙をやっている団体があるんだ」と知りました。

(関西支部の宙フェス)

それまでは、関東の方が宇宙は盛り上がっているイメージがあり、関西ではイベントがあまりなかったので、関西でイベントができる団体というところに凄く魅力を感じ、自分もイベント運営をしてみたいという思いがあったので、入りました。

(池田)

みなさんTELSTARに入る前から宇宙に興味があってスタートしているのですね。

(荘司さん)

代表の馬場さんとはTELSTARで出会う前に慶應大学でやっていた小野雅裕さんのイベントにお互い参加していたんです。

こう考えると、TELSTARに入る前から私達3人は小野雅裕さんに影響を受けていたんです。

(池田)

みなさんは宇宙関連の学部なのですか?

(馬場さん)

TELSTARは学生団体なので、いろんな大学の人が参加していて、今回で言えば種田さんが関西から参加をしています。3人とも大学もバラバラで、私自身は理工学部電子工学系に所属しています。

他のメンバーには、文系理系関係なく、いろんな大学から集まっています。

(荘司さん)

この3人だと理系だけなのですが、情報を発信するにあたって元々、宇宙のフリーマガジンを作る団体として発足していて、作成していくうえで、デザインやイラストを沢山盛り込んでいて、所謂総合大学だけではなく、美大の学生も沢山参加していて、理系文系だけじゃなく、美術やデザインを専攻している学生も所属しています。

(池田)

TELSTARの全体の規模はどのくらいなのですか?

(馬場さん)

30名前後で活動をしています。

(池田)

どのように運営しているのですか?

(馬場さん)

運営については、関東と関西で異なります。

関東については、毎週日曜日にミーティングを行っていて、今は新型コロナウィルスの流行に伴い、zoomでのミーティングを行っていますが、流行以前は毎週ミーティングを設定してオフラインで集まっていました。

定例ミーティング以外ではプロジェクトごとに平日に電話を繋いで行ったりしています。

(種田さん)

関西は月例ミーティングとして新型コロナウィルス前は月に1回オフラインで集まっていました。

イベントを運営することが多いので、イベント当日に向けて夜などにミーティングを設定して進めていました。

長期の休みについては、メンバーの時間が取れるので、毎週ミーティングを行っています。

(池田)

関西のイベントとは具体的にどんなことをされているのですか?

(種田さん)

TELSTAR全体としては、中高生に向けてアプローチをするのがメインなのですが、イベントをするにあたって、場所の関係でふらっと入ってくれる大人の方も多いので、中高生だけに絞ることなく広い年齢層に向けて宇宙の魅力を知っていただく目的でイベントを行っています。

過去のイベントとしては、私も参加した宇宙HACK!の小野雅裕さんの講演や宙フェスというイベント(毎年京都で行われていて、去年からは東京の日本橋でも開催している)で、ワークショップの出展をさせて頂きました。

主催イベントとしては、大阪にあるグランフロント大阪の一室をお借りして、関西で宇宙に携わっている社会人の方や、学生団体で宇宙をやっている団体さんをお呼びして、ワークショップや講演会を行ったことがあります。また、今年度は新型コロナウィルスの影響でイベントが行えず、活動できていないのですが、コロナウィルスが流行する以前に、高校生に直接アプローチするべくて大阪にある高校へ出張授業を行うプロジェクトが進めておりました。現在はオンラインで開催する方向で進めています。

(池田)

関西はやっぱりイベントがメインなんですね。

(種田さん)

そうですね。あとはメンバーの希望に応じて、TELSTARが運営しているwebサイトに記事を掲載したり、SNSを運営したり、関東のオンラインのイベントにも参加しています。

冊子の執筆も希望に応じて関われるので、私も一度執筆したことがあります。

(池田)

関東はwebサイトの運営がメインですか?

(馬場さん)

元々TELSTARができたのが関東が中心だったので、webサイトというよりはフリーマガジンを作るのが活動の中心となっています。

全国の高校や科学館に配布しているのが大きな柱の一つになっていて、その他に副次的な要素として、webサイトを使ってタイムリーな情報をメンバーが自分なりに中高生向けに分かりやすくと言うことを心がけて記事を作成しています。

関東でもイベントを行っています。

昨年からの宙フェスには関東からも参加させてもらっています。

(池田)

中高生がメインだとは思いますが、大学生に向けてのアプローチもされているのですか?

(馬場さん)

中高生がメインターゲットなので、同じ大学生は宇宙関連の仲間という意識です。

活動の中では、TELSTAR単体ではなく、他の宇宙関係の団体さんもいるので、一緒にイベントをしてみようなどお互いで声を掛け合ったりして共催という形でイベントを開催したり、同年代向けのイベントも行っています。

(池田)

ちなみになのですが、私が参加出来るような社会人が参加できるイベントもたまにはやってもらえるんですか?笑

(馬場さん)

そうですね!笑

先ほどの関西支部でも年齢層をこだわらずにやっているイベントもあるので、私たち自身も宇宙広報をしていると言っても学生だけだと中高生だけに届けるのも限界があるので、大人の方にも知っていただく必要があるので、大人の方にもアプローチしています!

(池田)

ぜひ参加したいので、やるときは声かけてもらえると嬉しいです!

(池田)

みなさんの今後の進路は宇宙に携わっていくんですか?

(馬場さん)

宇宙をどうにかやっていきたいという気持ちが強かったので、大学も理系にきたのですが、3年間の活動の中で、僕自身が関わった記事など見返して、改めて考えると「宇宙は理系のものだけではないな」と強く感じています。

出身が理系なので、多分理系の企業に就職することになるとは思うのですが、それ以外に自分の中でできることで、理系とは全く別のところからどうにか宇宙にねじ込めないかと考えたりもします。

あとは、全く宇宙とは切り離して考えて、いずれその道が宇宙につながる可能性があるなと、自分の中で見えてきたらそれが一番いいのかもしれないと思います。

(荘司さん)

在籍している大学の研究室でJAXAと南極などを探査している極地研と合同でスーパープレッシャー気球というものを開発していて、人が乗る気球ではなく、無人機として重力波や放射線がどれくらい大気に降り注いでいるかとか、大気中って実は飛行機が飛んでいるより上の成層圏はまだまだ未知な領域で、そういったものを探査する気球の開発が行われているんです。

気球のバルーン部分は2層になっているのですが、内側のゴムの層が飛行期間の3ヶ月壊れることなく飛び続けられるかを実験をしています。そのまま大学院に進む予定でいます。

進路を決めた理由はもしかしたら南極に行けるかもしれないというのが大きな決め手でした。

実際に行けるメンバーは数名なので、材料担当の僕が行けるかわからないですが 笑

高校の時もそうだったのですが、宇宙に関わることばかり考えていたので、一旦目の前の自分の実験や、TELSTARに入ったきっかけにもなった、「好きなことで宇宙に関わることができるんだよ」ということを伝えるべく、TELSTAR webとは別のwebサイト立ち上げをガツガツ進めていきたいです。

(種田さん)

私がやりたいことは最近ガラッと変わりました。

高校生の時から宇宙に関わるって天文学科にいくか、工学部の航空宇宙学科にいくかしか無いとずっと思っていて、高校生の時はどっちにいくか凄く悩んで、今は工学部に入学して3年目になるります。私が入った大学はもともと衛星を作るプロジェクトがあったので、それがやりたくて入ったのですが、諸事情でプロジェクトは解散となってしまい、あまり衛星開発はできなかったです。しかしTELSTARでweb記事を書かせてもらう中で、自分は宇宙について伝えることや書くことが好きだなと気づいたので、将来はエンジニア職を経て、広報職や宇宙系のライターになりたいと考えています。

ただ、技術力で宇宙分野に関わることもまだ諦めていないので、できることから精進していきたいと思っています。

(荘司さん)

2人とも理系理系と言っていたけど、理系だからこそかける記事もあると思っています。

最近の記事でも宇宙機に関しての専門用語も噛み砕いてわかり易く説明していたり専門知識があればこそ書ける記事もあると思っているので、文系理系関係なく書けるものがあるという事を伝えて欲しいなと思っています。

(種田さん)

私自身も理系しか無理と思い込んで苦しんだ経験や、理系の論文って分かりづらいという苦労があるので、わかり易く噛み砕いて伝えることや、理系文系関係なく宇宙に関われるという事を伝えられる人になりたいです。

(池田)

ありがとうございます。

最後に伝えたい事があればお願いします。

(馬場さん)

今でこそ宇宙関連のニュースを見るようにはなったのですが、広報として伝えられていることが少ないと僕自身は感じています。TELSTARは宇宙情報を発信して、出来るだけ分かりやすく中高生に届けています。中高生に読めるということは大人の方々が見ても読みやすくなっていると思っているのですが、初心者向けというか、そういった部分をもっと掘り下げていく必要があると感じています。

なぜかというと、TELSTARは所詮学生団体なんです。

完全に僕個人の意見ではあるのですが、学生団体なのでやれる事は限られています。

学生団体はボランティアの集まりみたいなもので、プロジェクトに関わる費用以外はお金ももらっていませんし、メンバーに入ってくるお金も一切ありません。

そういった面から見ても学生団体の広報ができることって正直少ないです。

だから、ライバルが増えるからあまり言いたくは無いのですが、初心者向けにいろんな記事をあげていて、その記事の内容がしっかりしていて、きちんと裏を取っているというのが重要になると思っています。

そうじゃ無いと宇宙産業が基幹産業みたいに大きくなるのはまず無いと思っていますし、一般の方に理解してもらえていないと、「この技術は何の役に立つの?」と言われておしまいになり、技術者側としては、「これはすごい技術なんだ」とみんなが分かっていても結局お金を出すのは最終的には一般の方々なので、そこにどこまで理解をしてもらうかってことが僕は重要なんじゃ無いかと思っています。

学生団体でここまでやっているので、もっと盛り上げていくためにいろんな人との関わりや分野横断をして、様々なところからのアプローチによって、情報が出てくるのが一番必要なんじゃ無いかと思っています。

(種田さん)

関西支部でイベントをする中で、学生団体の自分たちにできることの限界を感じたことが私もあって、主催イベントで社会人の方の力をお借りしたり、関東の学生団体の力を借りたりしました。なのでTELSTARが発信する母体としてではなく、使ってもらう手段の1つとして考えてもらうのがいいと思っています。

「宇宙の興味を0→1へ」という目標があるので、簡単に噛み砕いた記事も執筆しているのですが、メディアに載せていただくに当たって、存在を知ってもらうのは当然なのですが、存在を知った上で、私たちを使ってもっと盛り上げてくれる方が出てきたら私たちもありがたいし、宇宙産業ももっと盛り上がっていくと思っています。

(池田)

みなさんありがとうございました。

熱い話とみなさんの想いが伝わりました。

対談は約1時間でしたが、3人それぞれの想いを聞かせてもらえて、身が引き締まる想いでした。

当時の自分と比べてしまったくらいです。。

それぞれが考え、それぞれが想って動いていくことで、周りに波及しているのだと感じました。

TELSTAR素敵です!!

そんなTELSTARのために少しでも宣伝させてください!

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あとがき

今回、取材をさせて頂き、学生のみなさんが宇宙広報活動に熱を込めて取り組んでいるのがわかりました。

私が子供の頃は「宇宙飛行士になりたい」は夢物語で、宇宙に関わる道も限られていたイメージです。

今では宇宙がグッと身近になりつつあり、手の届く道になってきています。

学生の方で宇宙に興味がある、宇宙に携わってみたいと思っている方はまずはTELSTARのフリーマガジンを読んでみてはいかがでしょうか?

これからの選択にいい影響を与えてくれるはずだと思っています。

また、私のように社会人でこれまで宇宙に携わっていなかった人でもきっかけ次第で飛び込める業界になりつつあるので、ぜひTELSTARを読んで欲しいです。

そして、宇宙への道を切り開いてください。

いつか宇宙ビジネスMEDIAのユーザーの方を取材させて頂ける日を楽しみにしています♪